こんにちは!セルバンク広報担当です。
弊社代表 北條のYouTubeチャンネル【北條元治|肌再生の専門家チャンネル】の動画を文章でご紹介します。
「YouTubeの動画は全部見る時間がないよ」「まずは文字で要点だけ知りたい」という方にもわかりやすくお伝えできるように、広報担当の目線でギュギュっ!と短く要約してお届けいたします。
今回のゲスト
田中越郎 先生
東京農業大学 名誉教授/医学博士
生理学・栄養学を専門とし、多数の著書を持つ。テレビ出演も多数。近著『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』(ダイヤモンド社)では、栄養学的に正しい体との向き合い方を解説している。
「体にいい」という情報が、あまりにも多すぎる。ポリフェノール、グルテンフリー、発酵食品、〇〇断ち。どれも良さそうに見えて、全部やるのは現実的ではないし、そもそも本当に効くのかもわからない。結局、何もしないまま健康診断の日が来てしまう。
そんな方に向けて、今回は東京農業大学名誉教授で医学博士の田中越郎先生にお話を伺いました。先生の答えは、拍子抜けするほどシンプルでした。そして、その理由を聞いていくうちに、「なるほど、それなら納得できる」と思えるはずです。
老化で本当に困るのは、肌でも筋肉でもなく「血管」だった
「食事で病気を防ぐというのは、具体的にどんな病気を防ぐことなんでしょうか」。そう尋ねたときの田中先生の答えは、迷いのないものでした。
「老化して一番困るのは、血管なんですよ」
血管がダメになると、すべての臓器が止まる
私たちは「老化」と聞くと、まず肌のシワやたるみ、あるいは筋力の低下を思い浮かべます。けれど体の内側で進行している老化のうち、生死に直結するのは血管の老化です。
血管は、全身の臓器に酸素と栄養を届けるインフラです。ここがダメになれば、どの臓器も本来の働きができなくなる。糖尿病はまさにその典型で、先生は「機能不全と言ったほうが実態に近いかもしれない」と表現します。血管が狭くなり、硬くなり、詰まる。いわゆる動脈硬化です。
日本人の死因の多くは、血管の病気
その結果として起こるのが、脳梗塞や心筋梗塞です。日本人の三大死因のうち、二つは脳血管疾患と心血管疾患。統計的に見れば、3〜4人いれば2人程度は、そのどちらかで亡くなる計算になります。
つまり「老化を防ぐ食事」とは、言い換えれば「血管を守る食事」のこと。ここが今日の話の土台になります。
「これさえやれば健康の6割」。専門家が挙げたたった一つのルール
では、これさえ守っておけば大丈夫、というシンプルなルールはあるのでしょうか。
「あります」
先生は即答しました。
答えは「甘い飲み物をやめる」だけ
「甘い飲み物をやめること。それさえ防げば、健康の6割ぐらいは達成するんじゃないですかね」
コーラをはじめとする清涼飲料水。加糖された飲み物。オレンジジュースのような果汁飲料も、甘いものは同じ扱いです。すべきことはたった1つ、「やめる」だけです。
砂糖より問題なのは「果糖ぶどう糖液糖」
ただし、正確には少し違います。先生が問題視しているのは、砂糖そのものというより、清涼飲料水に使われている 果糖ぶどう糖液糖 です。
「糖が多すぎると、糖尿病的な血管障害を起こしますよね。その起こし方が、果糖のほうが数倍強いんですよ」
ぶどう糖よりも悪い糖。血管を傷め、肝臓を傷め、糖尿病予備軍をつくり、そして太りやすくする。では、なぜそこまで違うのか。ここからが本題です。
なぜ甘い飲み物は、これほど体に悪いのか
インスリンは「痩せる」ではなく「太らせる」ホルモン
まず、多くの人が誤解しているところから。インスリンというホルモンは、痩せさせてくれるものだと思われがちです。しかし実際は逆で、太らせるホルモンです。
インスリンの仕事は血糖値を下げること。ただしその方法は、血液中の糖を細胞の中に取り込ませることです。取り込まれた糖は脂肪に変えられ、細胞内に蓄えられる。「太る」という現象そのものを担当しているのが、インスリンなのです。
そして肝臓に糖が取り込まれれば、それはやはり脂肪になります。砂糖を摂ると肝臓がかなり傷む、いわゆる脂肪肝が起きるのは、このメカニズムによるものです。
液体だから、肝臓が処理しきれない
同じ糖でも、固形の食べ物ならまだ救いがあります。吸収されるまでに何段階かのステップがあり、ゆっくり体に入っていくぶんには問題は小さい。ところが飲み物は違います。一気に、どっと入ってくる。急激に押し寄せる糖を、肝臓が処理しきれません。
わかりやすいのがグレープフルーツの例です。果物として食べるなら、せいぜい半個か1個でしょう。ところがジュースにすると、2〜3個分を一気飲みすることになります。「果物は体にいい」というイメージのまま飲み物に置き換えると、まったく別の負荷が体にかかるわけです。
体が「秋が来た」と勘違いして、脂肪を溜め込む
さらに興味深いのが、果糖と人間の体の関係です。自然界において、果糖は 秋にしか手に入らない糖 でした。具体的には果物です。
だから私たちの体は、果糖が入ってくると「秋が来た、冬に備えろ」と反応するようにできています。脂肪を溜め込むモードへの切り替えです。冬眠前のクマとまったく同じ仕組みだと考えてください。秋にしか出ないはずの糖を食べたら、体が脂肪を蓄えはじめる。それは冬を越すための、きわめて優秀な生存戦略でした。
果糖は、食欲まで増やしてしまう
しかも果糖には、もう一つの働きがあります。食欲を増す のです。
お腹がいっぱいでも、もっと食べられてしまう。だからこそ、効率よく太れる。冬を生き延びるうえでは、これも理にかなった仕組みでした。問題は、現代ではコーラを飲めば季節に関係なく果糖が入ってくることです。
「コーラを飲むと、食欲がずっと残ったままで、際限なく食べるんです」
甘い飲み物をやめるだけで健康の6割、という言葉の意味が、ここでつながります。
「果糖ぶどう糖液糖」は、何からできているのか
ここで一度、この糖の正体を確認しておきましょう。
原料はトウモロコシ。だから圧倒的に安い
普通の白砂糖(ショ糖)は、サトウキビやてん菜(砂糖大根)から作られます。そのぶんコストは高めです。一方、コーラなどに使われる果糖ぶどう糖液糖の原料は トウモロコシ 。コーンスターチのデンプンからぶどう糖を作り、それを工場で果糖へと変換します。果糖に変えると、甘みがさらに増す。
だから安い。北海道に広がるトウモロコシ畑も、その多くは焼きトウモロコシ用ではなく、コーンスターチ用なのだそうです。「全部、工場で作ってます」という先生の一言が、この糖の性格をよく表しています。
「果糖ぶどう糖液糖」と「ぶどう糖果糖液糖」の違い
原材料表示で、よく似た二つの名前を見たことはないでしょうか。
| 表示 | 果糖の割合 |
|---|---|
| 果糖ぶどう糖液糖 | 50%以上 |
| ぶどう糖果糖液糖 | 50%未満 |
ぶどう糖から果糖への変換割合が半分以上なら「果糖ぶどう糖液糖」、半分未満なら「ぶどう糖果糖液糖」。先に書いてあるほうが多い、と覚えると簡単です。果糖の割合が高い前者のほうが、体への負荷は大きいことになります。
冷やすほど甘くなる、という設計
もう一つの特徴が、冷えても甘いことです。普通の砂糖は、冷えると甘味が落ちます。ところが果糖は、低温でも甘みを保つ。だからキンキンに冷やしたコーラは、あれほど甘い。
安くて、冷やしても甘くて、飲むほど食欲が増す。飲料に使われる理由が、そろっているわけです。今日か明日、飲み物の裏面表示を一度だけ見てみてください。それだけでも、見える景色が変わります。
体に良さそうなあの食品、実際どうなの?
ここからは、世間で「健康にいい」とされている食品について、先生に率直に聞いてみました。
ポリフェノール:「量が足りない」という現実
「ポリフェノール自体は体にいいですけれど、量が、このくらいしかないんですよね」
物質そのものが悪いわけではありません。問題は含有量です。期待するような効果を得るには、あまりにも少ない。
赤ワインと、フレンチパラドックスの舞台裏
赤ワインにもポリフェノールは含まれています。しかし先生の見立てはこうです。「ポリフェノール目的で赤ワインを飲むと、その前にアルコールで肝臓を壊しちゃいますね」
フランス人がイギリス人より長寿なのは赤ワインのおかげ。いわゆる「フレンチパラドックス」と呼ばれる話については、「あれはおそらく、フランスのワイン業者が作った宣伝です」と、一刀両断でした。
ブルーベリーが目にいい、という話の意外な出どころ
これも先生によれば、第二次世界大戦にさかのぼる話だといいます。当時の飛行機は有視界飛行、つまりパイロットが目で見ながら飛ぶため、夜間飛行はできませんでした。ところがイギリスは極秘にレーダーを開発し、英空軍機だけが夜も飛べるようになった。
その事実を隠すために流れたのが、「グレートブリテン特産のビルベリーをパイロットに大量に食べさせているから、夜も目が利く」という話だった、というわけです。そしてこのビルベリーがいつしかブルーベリーに置き換わり、日本でだけ、今も生き続けている。
「食品に関しては、100%そういう話だと思ったほうがいいと思う」
ちなみにビタミンAも同じ構造です。不足すれば確かに目は悪くなりますが、たくさん摂れば目が良くなるわけではない。「不足による不調」と「摂取による改善」は、まったく別の話なのです。
グルテンフリーは、必要な人だけでいい
「アレルギーじゃない人は、気にする必要はないんですよね」。セリアック病や小麦アレルギーのある方以外は、まったく不要というのが先生の見解でした。
ただし、大人になってからのアレルギーには気をつけて
ここまで読むと、「じゃあ何も気にしなくていいのか」と思われるかもしれません。ただ、先生が一つだけ注意を促した点があります。
「なんとなく不調」という、軽いアレルギーもある
子どもの頃は平気だったのに、大人になってから発症するアレルギーは実際にあります。30代で花粉症になる人がいるのと同じで、これは小麦に限らず、あらゆる食材で起こり得ます。
そしてアレルギーというと、アナフィラキシーのような激しい症状を思い浮かべる方が多いのですが、そこまでいかない軽いものもある。ただなんとなく体調が優れない、という形で出ることもあるのです。
「中年になって、なんとなく元気が出ない、体調が悪いという人は、一度アレルギー検査をやる価値はあると思います」
検査は万能ではない。疑わしいものを避けてみる
ただし、と先生は続けます。アレルギー検査も、そこまで正確なものではありません。偽陽性も出る。医学というのは体の中で起きていることを直接見ているわけではなく、あくまで推測にすぎないからです。
だからこそ現実的なのは、検査で怪しいものが炙り出されたら、試しにそれを避けてみること。体の反応を、自分で確かめる。これが実践的なアプローチだといいます。
なんとなく調子が出ないときの、食事の整え方
風邪でもないのに調子が出ない。そんなときにまず取り組むべきことも伺いました。
多すぎるもの、足りないもの。4つのポイント
最初にやめるのは、ジャンクフードと超加工食品。共通しているのは、油が多い、カロリーが多い、塩分が多いという点です。先生の見立てでは、現代の日本人の食事はこうなっています。
多すぎるもの
- ☐ カロリー
- ☐ 塩分
足りないもの
- ☐ 野菜
- ☐ タンパク質
「この4点にまず気をつけてもらうと、かなり健康的な食事になると思います」。複雑な計算も、特別な食材も必要ありません。
牛乳でお腹を壊す、2つの理由
牛乳で下痢をしてしまう理由は、大きく二つあります。一つはアレルギー。もう一つは乳糖不耐症で、日本人にはこちらが多いとされます。
乳糖不耐症は消化不良なので、対処はシンプルです。自分が消化できる量まで減らせばいい。かつては乳糖をあらかじめ分解した牛乳も市販されていました。アレルギーの場合は、アレルギーを起こしにくい「A2ミルク」に切り替えるという選択肢があります。
そして最後に、先生はもう一度こう繰り返しました。
「それよりも何よりも、甘い飲み物を断ってください」
「これさえやれば」に、答えはない
対談の終わりに、健康情報との向き合い方についての話になりました。
恐怖を煽る情報ほど、広まりやすい
極端な主張や、不安を煽る内容のほうが注目される。逆張りの情報のほうが、目を引く。それが現実です。けれど「これをやれば大金持ち」「これをやれば健康」といった万能の王道は、存在しません。
〇か×かではなく、5も6もある
「頭の構造が、1か10じゃなくて、5とか6があるんだよね」
物事は〇か×かの二択ではない。時には良くて、時には悪い、というものも多い。お酒についても「×ばかりではないと思いますけどね」と、先生は笑っていました。
完璧を目指さなくていい。ときどき自分を許すことも含めて、極端に走らないこと。それがいちばん現実的で、いちばん長く続く方法なのだと思います。
まとめ:今日からできる3つのこと
最後に、この記事から持ち帰っていただきたいことを3つだけ。
- 甘い飲み物を、水かお茶に置き換える — まずはここから。他を完璧にするより、効果が大きい一手です。
- 飲料の原材料表示を、一度見てみる — 「果糖ぶどう糖液糖」の文字を探すだけでかまいません。
- 野菜とタンパク質を、意識して一品足す — 減らすより、足すほうが続きます。
血管を守ることは、そのまま老化を防ぐことにつながります。そしてその第一歩は、思っているよりずっと小さなところにありました。
もっと詳しく知りたい方へ
今回お話を伺った田中越郎先生の著書『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』(ダイヤモンド社)では、この記事で触れた内容がさらに詳しく解説されています。
「完全栄養食を信じるな」「全粒粉パンと精製粉パンはどちらも正解」「本当は優れたタンパク源である牛乳」など、世間の健康常識を栄養学の視点から検証していく構成。栄養バランスは1日ではなく1週間で帳尻を合わせればいい、といった実践的な話も多く、健康法迷子から抜け出したい方に向いた一冊です。
▶ 医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術(Amazon)
ご注意
本記事は田中越郎先生への取材内容をもとに構成したもので、特定の専門家の見解を紹介するものです。診断や治療を目的としたものではありません。持病のある方、治療中の方、体調に不安のある方は、自己判断せず医師にご相談ください。



