モニタリングと4つの区域
当施設は、24時間室温や湿度、清浄度などがモニタリングされ、記録されています。空気の清浄度を4段階の基準に分類し、施設内を4つの区域(グレードA~D)に分けており、区域ごとそれぞれの用途に応じた設定管理がされています。例えば、清浄度が最も高いグレードA区域で細胞培養を行っています。また、区域に合わせて入室制限や更衣を行っており、教育訓練を受けた者のみが入室できるよう管理しております。
細胞培養士が作業室に入るには、エントランスでの手洗い後、前室(一次更衣室)で一次更衣をし、清浄度管理区域内の廊下へ進みます。細胞を培養・調製を行う部屋(細胞調製室)に入室する際には、より清浄度の高い更衣室(二次更衣室)にて二次更衣を経て入室します。また、作業を終え退室する際は、入室した部屋とは別の部屋(脱衣室)に入り二次更衣を脱衣し退室します。その後、廊下を経て前室に戻ります。このように出入口の部屋を分けることにより、人の動線が交わることによる汚染を最大限防ぐような設計がされた環境下で製造(細胞培養)がおこなわれています。
当施設は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく運用管理を行っています。
管理基準のポイントは、①間違いの防止、②汚染防止、③品質保証システムの確立です。
①間違いの防止
全ての細胞加工業務は、製造に関しては製造管理責任者の責任と指示の下、品質管理試験に関しては品質管理責任者の下、それぞれの作業者は作業を実施しなくてはなりません。また作業内容は全て記録書として文書化し、確認、照査、承認され保管管理をされます。こうした責任体制に加え全ての検体から試薬に至るまでバーコード管理されており、記録は無論ですが、指示と異なる検体を読み込むと作業ができないようにシステム的に制限されています。合わせて作業者は二人一組で確認を行うことを義務付けています。
②汚染防止
汚染防止するため、衛生管理基準を定め運用をしております。各部屋における更衣方法から手洗い方法、作業時における培養士の動きに関しても基準を設けています、また設備の清掃に関しても基準を設け、それを記録管理することで汚染防止を徹底しています。
③品質保証システムの確立
患者様からお預かりした検体の受入、製造(細胞培養)、品質管理試験、患者様にお届けする為の細胞輸送に至るまでのサイクル全体を適切に管理することが重要です。
当施設では、定められた基準に従い品質に異常が無いことをチェックし、継続的な品質改善活動を行う品質保証システム(QMS)を確立し、恒常的に安全な細胞を提供するための環境を整えています。