品質と安全性
Safety & Quality Control
安全・品質管理
セルバンクは、2015年11月に厚生労働省より特定細胞加工物製造業許可を取得し(施設番号:FA3150017、更新2020年)、再生医療に用いる細胞の加工事業を受託しています。CPC(Cell Processing Center)ではGMP準拠施設で機械的・科学的・人的管理など、様々な側面から厳重に細胞を管理しています。
- 人的管理
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- ・作業工程確認
- ・ダブルチェック体制
- 科学的管理
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- ・培養状況管理(増殖や形態)
- ・菌などによるコンタミの有無
- ・検査管理
- ・個人識別試験
- 機械的管理
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- ・QRコードによるバーコード管理
- ・空調調整による感染防止
- ・施設管理
個人識別試験
患者様の細胞は、患者様ごとに割り振られたバーコードを用いて管理しております。これは、作業前に違う患者様のバーコードを読み込んだとき、エラーが表示されて取り違えを防止できるといったシステムです。一般的に、このようなバーコード管理が取り違え防止の要件となっておりますが、セルバンクではバーコード管理に加えて複数名によるダブルチェック、採取された血液DNAと細胞DNAが一致するかの個人識別試験も実施しております。全ての工程は、上記のようなコンピューターと人による管理を徹底しており、取り違えを防止するシステムを構築しています。
品質検査証明書
細胞を出荷する際に培養施設内にて品質管理・検査を行っており、以下の項目を記載した品質検査証明書をお送りしております。
- 移植細胞量
- 皮膚組織片受入時検査
- アウトグロース確認
- 継代数(追播種している場合は、その継代数)
- 最終製品調整日(細胞分散懸濁液作成日)
- 最終製品細胞生存率(生存個数でカウント)
- エンドトキシン試験
- マイコプラズマ否定試験
- 遺伝子上の反復配列多型分析(VNTR)による個人識別(個体同一検査)
自己血清100%
動物血清製品(FBS、Calf serum、Horse serum 等)の使用は行わない
当社ではテーラーメイド医療が基準となっており、自身の組織から採取された検体、細胞、血清を用いて培養し、自身に細胞移植します。当社では、動物由来酵素や動物由来血清は一切用いません。なので、100%自分自身の血液や細胞を用いることで、自身への生体拒絶反応がなく、自身との生体適合性に優れた細胞をご提供いたします。自己血清を使うためには採血が必要ですが、動物由来のあらゆる感染症やアレルギー反応等のリスクを防ぐことができ、細胞の高い安全性と品質を確保できます。
豊富な細胞数を確保
トータル6億個以上の細胞提供
再生医療の高い効果を期待するには、細胞の数は大きな鍵です。当社の培養技術で採取した細胞を1,000倍~1万倍まで増やすことが可能です。この培養技術があるからこそ、非常に少量の組織の採取にて十分な細胞を確保できます。脂肪由来幹細胞であれば3グラム。手術等の侵襲性がほとんどなく患者様にご負担をかけません。また大量の細胞を移植することで、従来よりも大幅な細胞の生着も期待でき、効果の増強を得ることが期待されます。
細胞搬送
細胞の搬送は、医療検体の輸送の扱いに特化した専用容器を用い、当社選定の運送会社にて行っています。また輸送の間は温度ロガーで定期的に温度記録を取り、輸送中の温度が適温で搬送されているかデータを取得しています。
細胞の長期保管
再生医療は一回の細胞移植で終了する治療ではなく、反復した細胞移植を必要とされる場合があります(真皮線維芽細胞による若返り、脂肪由来幹細胞による変形性膝関節症)。セルバンクは、採取組織から細胞の培養方法や、凍結方法に関して18年以上にも及ぶ細胞保管の実績を積み重ねて参りました。その中で、細胞をより良い環境にて長期間凍結する技術を確立しております。
移植用細胞は非凍結
輸送は非凍結で適正温度にて管理された状態で納品
凍結保管細胞をそのままでご提供の場合、細胞加工施設外(CPC外)での凍結融解作業によるダメージを受ける可能性が高く、解凍作業は慎重な取り扱いが必要となります。当社の移植用細胞は全て生細胞(非凍結)です。生体材料(非凍結)でお届けすることにより、解凍をする手間も省け、解凍作業での失敗やミスなどのリスクがありません。
細胞継代回数の設定
線維芽5回・ASC3回
細胞を分裂させて増やし続けると、幹細胞の機能が損なわれたり、ガン細胞になったりする可能性があります。そのため、セルバンクでは安全性を担保できる継代回数を設定し、リスクを最大限におさえるため遵守しています。