次世代医療として期待される再生医療、クリニック従事者の半数が「導入したい」意欲 〜一方、「細胞加工施設の運営や輸送・保存技術等のノウハウがない」「どのようにサービスを提供して良いかわからない」などハードルも〜
あらゆる細胞に対応可能な敷地面積約732㎡の大規模な細胞加工施設を保有する、株式会社セルバンク(本社:東京都中央区、代表取締役:北條 元治)は、クリニック従事者103名に対し、「クリニックにおける再生医療の導入」に関するアンケート調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。
- クリニックにおける再生医療の導入に関する調査
- トピック01:
「再生医療を導入したい」と回答したクリニック従業者は54.3% - トピック02:
再生医療(細胞補充療法)「患者に最適な治療法を提案できる」など - トピック03:
再生医療(細胞補充療法)に関する専門家の支援を61.6%が「利用したい」と回答
調査概要
- 調査概要
- 「クリニックにおける再生医療の導入」に関する調査
- 調査方法
- インターネット調査
- 調査期間
- 2021年8月18日〜同年8月20日
- 有効回答
- クリニック従事者103名
再生医療について、クリニック従事者の約6割が知っていると回答
「Q1. あなたは「再生医療(細胞補充療法)」についてどの程度ご存知ですか。」(n=103)と質問したところ、「よく知っている」が20.5%、「少し知っている」が41.7%という回答となりました。
※再生医療(細胞補充療法)とは、例えば肌の場合だと肌の老化(シワ・たるみ・クマ等)を「治療」するという考え方で、根本原因である減少してしまった肌細胞(真皮線維芽細胞)を、培養技術により増殖させ移植することで、肌の機能を改善させるような治療法です。(参照:肌細胞.jp)
- ・よく知っている:20.5%
- ・少し知っている:41.7%
- ・あまり知らない:25.2%
- ・全く知らない:12.6%
- ・わからない/答えられない:0.0%
再生医療導入による利点、「患者に最適な治療法を提案できる」「最先端のクリニックというイメージ」など
Q1で「よく知っている」「少し知っている」と回答された方に対し 「Q2. 再生医療(細胞補充療法)を導入した場合、クリニックにどのような利点があると思いますか。(複数回答)」(n=64)と質問したところ、「患者に最適な治療法を提案できる」が54.7%、「最先端のクリニックというイメージの付与」が51.6%、「対応できる患者が増える」が50.0%という回答となりました。
- ・患者に最適な治療法を提案できる:54.7%
- ・最先端のクリニックというイメージの付与:51.6%
- ・対応できる患者が増える:50.0%
- ・積極的に再生医療に取り組んでいるイメージの付与:37.5%
- ・事業の拡大:32.8%
- ・宣伝効果がある:28.1%
- ・その他:4.7%
- ・わからない/答えられない:3.1%
半数以上が「再生医療を導入したい」と回答
「Q3. あなたの勤務しているクリニックに再生医療(細胞補充療法)が導入できるとしたら、導入したいと思いますか。」(n=103)と質問したところ、「非常に思う」が23.2%、「やや思う」が31.1%という回答となりました。
- ・非常に思う:23.2%
- ・やや思う:31.1%
- ・あまり思わない:15.5%
- ・全く思わない:11.7%
- ・既に導入している:3.9%
- ・わからない/答えられない:14.6%
再生医療導入の課題、「細胞の加工・製造技術」「輸送・保存技術」など
Q3で「非常に思う」「やや思う」と回答された方に対し 「Q4. あなたの勤務しているクリニックに再生医療(細胞補充療法)を導入する上で、課題や障壁と考えられることがあれば教えてください。(複数回答)」(n=56)と質問したところ、「細胞の加工・製造技術」が50.0%、「細胞の輸送・保存技術」が50.0%、「細胞の管理システム」が48.2%、という回答となりました。
- ・細胞の加工・製造技術:50.0%
- ・細胞の輸送・保存技術:50.0%
- ・細胞の管理システム:48.2%
- ・細胞の培養技術者の育成:41.1%
- ・細胞を扱う資材の導入:41.1%
- ・委員会の認可を受けるための審査書類作成:39.3%
- ・どのようなサービスを提供するべきか全般的な知識がない:33.9%
- ・その他:5.4%
- ・特にない:3.6%
- ・わからない/答えられない:3.6%
約6割が、再生医療に関する専門家の支援を「受けたい」と回答
「Q5. 再生医療(細胞補充療法)を未導入の方にお聞きします。導入するために足りない知識やノウハウについて、専門家の支援を受けることができるサービスがあれば利用したいと思いますか。」(n=99)と質問したところ、「非常に思う」が30.3%、「やや思う」が31.3%という回答となりました。
- ・非常に思う:30.3%
- ・やや思う:31.3%
- ・あまり思わない:16.2%
- ・全く思わない:9.1%
- ・わからない/答えられない:13.1%
再生医療導入についてのイメージ、「顧客確保」「患者の思いに沿うことができる」など
「Q6. あなたは、再生医療(細胞補充療法)のクリニックへの導入についてどのような印象やイメージを持っていますか。自由に答えてください。(自由回答)」(n=103)と質問したところ、「対象患者が増えるため、患者の思いに沿うことが以前よりできるようになる。」、「まだ導入しているクリニックが少ないため、顧客確保として利用できる。」など、85件の回答を得ることができました。
<自由回答/一部抜粋>
- ・33歳:選択肢が増えるので嬉しいし、話を聞いてみたいと思う。どこのクリニックもそのクリニックで行なっている治療を基本的にお勧めしてくるため、本当に自分に合っているものは何かある程度下調べを行ってから行くようにしている。導入されたばかりのものはリスクや副作用が不明なものもあり、ある程度導入から期間が経ち、安全が確保されてから行いたいと思う。導入については、流行り廃りがあるためコストとどれくらいの期間の売り上げが見込めるか、減価率や効率を重視します。
- ・26歳:対象患者が増えるため、患者の思いに沿うことが以前よりできるようになる。
- ・30歳:良いと思う。しかし、まだ何も分からないため長期的にみた副作用や保存方法が気になる。
- ・38歳:まだ導入しているクリニックが少ないため、顧客確保として利用できる。
- ・26歳:最先端の技術を導入している病院として世間からの注目をあつめることができるので、集客効果が見込めると思う。
- ・42歳:再生医療のレベルにもよるが、効果・効能が確立され保険適応になれば導入を検討するクリニックも増えるのでは?
- ・66歳:感染や汚染の危険が少なく簡便な方法がありがたいです。
まとめ
今回、クリニック従事者103名に対し、「クリニックにおける再生医療の導入」に関するアンケート調査を実施しました。
まず、再生医療(細胞補充療法)の理解度について伺ったところ、クリニック従事者の約6割が「よく知っている」「少し知っている」と回答。「よく知っている」は2割程度となっています。続いて、再生医療の導入による利点を伺ったところ、「患者に最適な治療法を提案できる」「最先端のクリニックというイメージ」など、患者に対してベストな選択ができるようになるという点や、クリニックとしても良いブランドイメージであるという声が多く挙げられました。
また、クリニック従事者の半数以上が「再生医療を導入したい」と回答しています。再生医療を導入する上での課題は、「細胞の加工・製造技術」「輸送・保存技術」など、専門知識を要するものが多く挙げられつつも、3人に1人が「どのようなサービスを提供するべきか全般的な知識がない」と回答するなど、未だ知識やノウハウが行き届いていない現状が感じられます。
実際、再生医療をクリニックへ導入する際には、専門家の支援を受けたいと約6割のクリニック従事者が感じています。自由回答で再生医療導入についてのイメージを伺った際も、一定数治療の効果・効能に関するリスクを不安視する声が挙がるなど、導入においては再生医療の専門家の声が重要となるのかもしれません。
株式会社セルバンク 代表取締役 北條 元治からのコメント
今回の調査では医療従事者は再生医療に対し非常にポジティブなイメージを抱いていることが判りました。一方、法律・制度上の課題や障壁を指摘する方が4割程度、細胞の製造・保管など技術的な課題や障壁を指摘する方が5割程度いらっしゃいます。
セルバンク社は細胞培養・保管・輸送という技術的な面はもとより、再生医療安全確保法に準拠したドキュメントの作成、委員会での審査など、法律・制度上の課題までワンストップで、しかも格安で提供しています。
株式会社セルバンクのサービス
セルバンクは、厚生労働省より認可された「特定細胞加工物製造事業者」の許認可事業者です。肌細胞の他に、心臓幹細胞、末しょう血幹細胞、子宮内膜幹細胞、脂肪由来幹細胞など多くの細胞腫の培養を病院から受託しています。
また、セルバンクの細胞保管事業、細胞保管サービス「セルバンク」は、現在の健康な皮膚の真皮線維芽細胞を、機能が保たれた状態で長期に渡って保管するサービスです。
例えば、現在40代で、20年後の60代の頃に「40代の頃の細胞を移植する」といった、最先端の再生医療を受けることができます。