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中山クリニック

専門医による質の高い医療を提供し、地域に根ざした診療を行う「中山クリニック」。肩・膝の痛みやスポーツ整形、再生医療などの幅広い診療を提供し、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療で、痛みが少なく・わかりやすい丁寧な医療を心がけていらっしゃいます。

「子どもの頃から育った明石の町で、地域医療に少しでも貢献したい」――想いを胸に日々診療にあたり、地域の皆さまの生活の質(QOL)向上に尽力されている中山潤一(なかやま じゅんいち) 院長に、その想いと取り組みについてお話を伺いました。

中山潤一(なかやま じゅんいち) 医師プロフィール

中山クリニック 院長

明石市整形外科医会会長、明石市医師会理事、医学博士(H19年神戸大学整形外科にて軟骨再生の研究で修得)、日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本リハビリテーション学会臨床認定医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定運動器リハビリ医、日本医師会認定産業医、厚生労働省義肢装具適合判定医、神戸国際大学客員教授、日本骨粗鬆学会認定医、健康スポーツ医 日本医師会認定医

経歴
1982年
明石市立大久保小学校卒業
1988年
淳心学院卒業
1995年
大阪医科薬科大学卒業し、同年神戸大学整形外科入局。県立淡路病院、聖マリア病院にて救急外傷、三田市民病院にてスポーツ関節鏡を、神戸労災病院にて脊椎・手の外科、県立兵庫リハビリ中央病院にて人工関節・リハビリの研修、明石医療センターにて脊椎・外傷の研修を受ける。
2001年
加古川市民病院整形外科 副医長
2005年
神戸逓信病院 医長
2008年
神鋼加古川病院 医長

中山クリニック
公式サイト

先生が行っている治療について教えてください

肩の治療については特に専門性があり長年取り組んできました。肩関節には「腱板断裂」や「脱臼」、「五十肩」など、本当にさまざまな病気がありますが、保存療法だけでは改善しない方も多くいらっしゃいます。そういった場合には、関節鏡手術という方法を行っています。これは体への負担が非常に少ない、いわゆる「低侵襲」の手術です。皮膚を大きく切る必要がなくほんの小さな切開で済みます。傷もテープで止められるくらい小さいため、術後の回復も早く、患者様にとっての負担を最小限に抑えることができます。

また普段の外来治療では、膝に痛みを抱える患者様も多くいらっしゃいます。65歳以上の日本人高齢者の内、4人に1人が膝の痛みを抱えていると言われるくらい膝痛は身近な問題なんですね。私の外来にも膝の患者様がたくさん来られます。治療の基本はまずは保存療法から始めます。具体的にはヒアルロン酸の注射やリハビリです。それでも痛みが改善しない場合には、以前は人工関節置換術しか選択肢がありませんでした。ただ人工関節はどうしても可動域が制限されますし、正座ができなくなったり、動きが硬くなったりと人工関節の寿命問題もあります。

しかし、最近ではそこに再生医療という新しい選択肢が広がってきました。手術を希望されない方や、手術をするにはまだ早い方、ご自身の膝をなるべく残したいという方に対して、私たちは積極的に再生医療に取り組んでいます。

再生医療にどのような期待を持っていますか?

再生医療の魅力は、痛みを取るだけでなく軟骨の再生を促す可能性があることです。脂肪由来幹細胞は多分化能力を持っていて、炎症を抑え、軟骨の修復を助ける因子を分泌します。これまでの血液由来の治療よりも発展性があり、将来性があると考えています。

再生医療についてお話を聞いた時はすぐに飛びつきました。入院も手術もなく、また低侵襲に膝の痛みをとれるということで絶対に導入しようと思ったんです。

例えば経営者や自営業の方など、長期間仕事を休めない方に新しい選択肢を与えてくれ大きな意味があります。手術だと数週間単位で休養が必要ですが、再生医療なら外来で1時間程度の処置で済みます。その後も経過が良ければ、数か月に1回の通院で済む方も多いです。患者様の生活を守りながら治療できるのは、非常に大きなメリットだと思います。

最近ではPRPとの併用や、体外衝撃波治療と組み合わせることで効果が高まるという報告も出ています。今後さらに技術が進歩し、より良い方向へ発展していくのではないかと期待しています。

先生は医学博士号もお持ちですが、どのような研究をされていたのですか?

私は軟骨の再生をテーマに研究していました。ちょうどiPS細胞が世に出始める前のことです。

昔から「すり減った軟骨は再生しない」と言われてきましたが、それをどうにか再生できないかというのは私にとって永遠の課題なんです。手術以外の方法ですり減った軟骨を再生させる、私はそんな治療が必ず世に出るだろうと思って研究をしていました。その直後にiPS細胞が発表され、一気に再生医療の研究が加速していきました。私はまさに黎明期に研究をしていたわけです。

その経験もあって、再生医療が実際に臨床に応用できるようになった時には「ぜひ自分の手でやってみたい」と強く思いました。私は整形外科の専門医なので、研修医1年目の頃からずっと膝痛の患者様を診てきて、日常生活の質が大きく損なわれることを目の当たりにしてきましたので、自然な流れで再生医療に取り組むようになったのだと思います。

再生医療を行う上で大切にしている技術的なポイントはありますか?

まず一番大切なのは、必ずエコーを使って注射を行うことです。関節内への注射というのは、一見すると簡単そうに見えますが実際にはとても繊細で難しい処置なんです。しっかりと関節の中に薬液が入っていないケースも少なくありません。実際、論文などでも「腱の中」や「滑膜の中」に誤って入ってしまっている例が報告されていることから、私たちはエコーで確認しながら確実に100%関節内に注入するよう常に細心の注意を払っています。見た目の作業は同じ注射でも、エコーを用いるかどうかで結果は大きく変わってくるんですね。

そしてもう一つ大事なのは、「注射だけで終わらせないこと」です。再生医療の効果をしっかり引き出すためには、リハビリを必ずセットで行うことが欠かせません。膝であれば周囲の筋力を鍛えること、肩であれば運動療法を続けることがとても重要です。せっかく関節内の環境を整えても、周囲の筋肉を動かさなければ本来の機能は戻ってきません。そのため、注射をした後には必ずリハビリの指導を行い、日常生活の中でどう動かしていくかまでしっかりお伝えしています。

また、私自身YouTubeでも体操動画を発信していて、患者様にも無料で見ていただけるようにしています。動画を通じてご自宅でも無理なく続けられるようにサポートすることで、注射して終わりではなく、「生活の中で少しずつ改善していける」ような仕組みづくりに取り組んでいます。

中山クリニック
YouTubeチャンネル

患者様と接する際に大切にしていることは何ですか?

当院の理念は「笑顔と健康でみんなを幸せに」というものです。ですから常に、「患者様が何を望んでいるのか」「どうすればその方が幸せになれるのか」をゴールに置き、そこから逆算して治療を考えるようにしています。

例えば、「これからもスポーツを続けたい」という方に人工関節を入れてしまうと、どうしても動きに制限が出てしまいます。そういった方には再生医療という選択肢を提案することがあります。また「旅行や趣味を楽しみたい」という方であれば、痛みを取ることはもちろん、その後のリハビリを通じて日常生活の機能を取り戻すことを目標にしています。このように、日常生活に欠かせない動作を改善し、生活の質や満足度を高めることを念頭に置いて治療を行っています。

さらに、患者様一人ひとりの背景や生活スタイルに合わせて治療の提案を変えるようにも心がけています。診察の際には単に痛みや症状の話を聞くだけではなく、「どのようなことで困っているのか」や「ご家族との過ごし方」などの生活環境、改善できたらしたいこと、治療の希望(手術や痛みの有無など)も含めて丁寧に伺います。そうしたお話の中に、その方にとって本当に必要な治療のヒントが隠れていることが多いからです。

ヒヤリングをしっかり行い、私たち医師が一方的に決めるのではなく、患者様と一緒に最適な治療を考えることを大切にしています。

印象に残っている患者様のエピソードを教えてください

そうですね。長年膝の痛みに苦しんでいた自営業の方がいらっしゃいました。その方は仕事の都合で手術ができず、半年~1年に1回くらいAPS(自己たんぱく質溶液)治療を受けておられました。それでも完全には良くならなかったのですが、脂肪由来幹細胞を用いた移植治療を両膝3回ほど受けられたところ、劇的に痛みが改善しました。膝の曲がりも良くなり、お風呂の中でなら正座ができるようになったと喜んでおられました。

もう一人は半月板損傷の方です。変性断裂により、ずっと痛みも続いていたため、手術による切除しかないと言われていたのですが、手術への抵抗が強く再生医療を選択されました。治療後は痛みが取れて運動もできるようになり、とても喜んでいただけました。

院内で目指している診療体制について教えてください

私としては、このクリニックで完結できるような体制を整えたいと思っています。MRIやCT、エコー、関節鏡といった検査や治療機器を揃えているのもそのためです。困ったときにまず頼っていただける場所でありたい、そう考えています。

最後に患者様へのメッセージをお願いします

関節でお困りの方は、ぜひ一度ご相談いただきたいと思っています。私たちは整形外科的なアプローチだけではなく、栄養療法など内科的な観点からも治療を行っています。例えば鉄やマグネシウムが不足すると筋肉がつりやすくなるなど、体の内面から痛みが起きることもあるんです。ですから、多角的な視点から痛みにアプローチして患者様をサポートしていきたいと考えています。

もちろん、もう痛みが出てしまった方も来ていただきたいですが、それ以前の段階で予防的にご相談いただくのも大歓迎です。私は地元で開業していますので、地域の皆さんの健康を守り、笑顔を増やしていくことが使命だと思っています。これからも、皆さんの生活が少しでも快適になるように、全力で取り組んでいきます。

中山クリニックの基本情報

施設名
中山クリニック
診療科目
整形外科、リハビリテーション科、リウマチ科、消化器内科、麻酔科、内科
院長
中山潤一 院長
電話番号
078-935-6060
住所

〒674-0071
明石市魚住町金ヶ崎370

公式サイト
https://www.akashi-n-clinic.com/
YouTubeチャンネル
医師 中山潤一「整形外科・消化器内科」 / 兵庫県明石市の中山クリニック

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