セルバンクの提携医療機関

都島整形外科クリニック

再生医療を導入された都島整形外科クリニックの生長 弥須蔵(いきなが やすぞう) 院長にお話を伺いました。

患者さんの痛みや悩みに真摯に向き合い、日々の研鑽と新しい治療法を積極的に取り入れている都島整形外科クリニック。自身の経験を通し、患者さんに寄り添う生長院長の治療に対する思いをお話しいただきました。

生長 弥須蔵(いきなが やすぞう) 医師プロフィール

都島整形外科クリニック 院長

日本整形外科学会整形外科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、日本整形外科学会認定 リウマチ医、日本医師会認定健康スポーツ医、厚生労働省緩和ケア研修修了医、JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)外傷初期診療研修修了、BLS(Basic Life Support)プロバイダー、ALS(Advanced Life Support)プロバイダー、がんロコモドクター、ロコモアドバイスドクター、日本抗加齢医学会専門医

経歴
  • 智弁和歌山高校卒
  • 大阪公立大学 医学部卒
  • 大阪公立大学 整形外科医局 入局
  • 大学病院を初めとし、大阪労災病院、馬場記念病院、東住吉森本病院など大阪・奈良の関連病院で研修を積む。スポーツ診療を行う整形外科ひろクリニックや星田整形外科クリニックでの勤務経験を経て現在に至る
所属学会
日本整形外科学会、日本リウマチ学会、抗加齢医学会

都島整形外科クリニック
公式サイト

医師を志したきっかけは何でしょう?

子どもの頃の経験が大きいですね。小さいころは本当に活発で、いつも走り回っていて、頭の天辺から足の先までケガばかりしていました。そんな僕を何度も診てくれたのが、近所の外科の先生だったんです。所謂、かかりつけ医でした。その先生は、どんなケガでも親身になって診てくださって、本当に信頼できる存在でした。私もいつしか「こんな先生になりたい」と思うようになったんです。

その先生は、私が小学生の頃にはすでに60代で、80歳を超えた今も変わらず精力的に、地域の医療に貢献されています。本当に尊敬できる、私の原点ともいえる存在です。

今、私が目指しているのは、「あそこに行けば何とかしてくれる」と思ってもらえるような、地域の方にとって頼れる存在です。病院と聞くと、どうしても構えてしまうことが多いと思いますが、もっと身近で、気軽に相談できるようなクリニックでありたいと思っています。

再生医療に興味を持ったきっかけやその魅力を教えてください。

きっかけは以前勤務していたスポーツクリニックでの経験です。そこではPRP(多血小板血漿)療法などを取り入れており、ある中高年の女性患者さんにPRPを提供したところ、膝の腫れや水がたまるといった症状が劇的に改善されました。そのときに「これはすごいな」と。これまでの既存の治療ではなかなか改善できないところにまでアプローチできたケースだっただけに、再生医療の持つ可能性に強く惹かれました。

もちろん、保険診療の中でもできることはたくさんありますが、手術を望まない方や、家庭の事情で入院が難しい方など、多様なニーズに応える必要があると感じています。たとえば、ご家族の介護のために入院はできないという方も少なくありません。そうした中で、手術以外の選択肢として再生医療を提示できることは、患者さんにとっても医師にとっても大きな意味があります。

また、再生医療の魅力は、保険診療だけでは対応しきれなかった患者さんに対して、新たな選択肢を提供できる点にあると感じています。これまで保険の範囲内では十分な効果が得られず、治療に限界を感じるケースも少なくありませんでした。そういった「空白の部分」を埋める可能性があるのが、再生医療だと思っています。

再生医療の多くは、自身の血液や脂肪組織から成分を抽出して用いるため、安全性が高いのも特徴の一つです。拒否反応のリスクも少なく、治療後も自然な回復を促す形で進んでいきます。一時的に炎症が起こることはありますが、その後の改善は長期的に続くことが多く、これは従来の治療にはない利点です。

例えば、ヒアルロン酸注射では2週間から1か月に一度の通院が必要でしたが、再生医療では半年から1年ほど効果が持続するケースもあり、一時的な緩和ではなく、根本的な改善を目指せる点が再生医療の大きな魅力だと考えています。

提供できる治療の選択肢を広げることは、医師としての大切な役割の一つだと考えています。患者さん一人ひとりの事情に寄り添い、最適な治療を提案できるよう、今後も幅広い知識と技術を学んでいきたいと思います。

生長院長の得意な手術や治療も知りたいです。

これまで特に力を入れてきたのは、大腿骨や手首の骨折手術、人工関節の手術ですね。最近は外来での治療にも工夫を凝らしていまして、例えば「ハイドロリリース」といった超音波を使った新しい治療法にも取り組んでいます。こういったアプローチで、より患者さんの痛みや悩みに応えていけるよう、研鑽を積んでいます。

日々の診療で大切にしていることは何でしょう?

私が日々の診療で一番大切にしているのは、「患者さんの思いをどう形にしていくか」という部分です。痛みの感じ方は人それぞれで、医師が決めつけてしまうのは違うと思っています。いくつか選択肢を提示して、その中で患者さんご自身が「合いそうだな」と思う治療法を一緒に相談しながら決めていく。そこを一番に心がけています。

治療は納得して受けてもらえることがすごく大事だと思っています。医師が一方的に決めた治療では、どうしても継続することが難しくなってしまう。どんなに良い治療でも、続けられなければ効果は出にくいんですよね。だからこそ、お互いに立場を尊重しながら、寄り添って進めていくことが大切だと思っています。

また、患者さんの話を聞く時には、話し方やスピード、表情や空気感も特に意識しています。診察室に入ってこられた瞬間から感じ取れるものもありますが、話す中で会話のテンポを合わせていったり、「どこに不安を感じておられるかな」といったことを見ながら、その人に合ったお話がしやすい空間づくりを心掛けています。

あとは、なるべく患者さんの話を途中で遮らないこと。人によって悩みは様々ですが、話すことで晴れ晴れとした気持ちになれることもあると思いますので。そういう小さな積み重ねが、信頼関係につながると信じています。

スポーツもなさっていたそうですが、その経験は診療にも役立っていますか?

そうですね、中学・高校では卓球、大学ではバスケットボール部とゴルフ部に所属していました。ゴルフは今も続けて楽しんでいます。最近は忙しくてプレーの機会は減りましたが、仲間と一緒にコースを回る時間は、心身ともにリフレッシュできる大切な時間です。

ただ、医学部の実習と部活動の両立は決して簡単ではありませんでした。特に5年生以降は実習が本格化し、時間の確保が難しくなる中、仲間の支えは大きな力になりました。厳しい環境の中で励まし合いながら続けた経験は、今の医師としての姿勢にも通じる部分があります。

学生時代にスポーツによる怪我をしたことも大きな経験でした。腰痛に悩まされ、スポーツクリニックや理学療法士の先生方にお世話になっていました。リハビリを通じて「やればやるほど良くなる」という実感を得られたことは、医師としてのリハビリへの理解にもつながっています。学生の頃は専門的な知識もまだ乏しく、応急処置なども十分ではありませんでしたが、学年が上がるにつれて徐々に知識がつき、セルフケアの意識も育ちました。

こうしたスポーツと医療の両面から得た経験が、今の診療にも活きています。

これまでの治療で印象に残っている患者さんやエピソードはありますか?

これまでたくさんの患者さんとの出会いがありましたが、特に印象に残っているのは、粉砕骨折をされた60代後半の男性の方です。山登りや写真撮影が趣味の方で、手術後の経過も順調に進み、無事に退院されました。その後、その方から「歩けるようになりました、ありがとうございます」というメッセージとともに、ご自身が撮影された写真をはがきにして送っていただいたんです。整形外科医として、治療を通じて患者さんの生活を取り戻すお手伝いができたことが、本当に嬉しかったですね。

都島整形外科クリニックの特徴や強みは何でしょうか?

当院の特徴のひとつは、リハビリを非常に重視しているという点です。従来のような電気治療や機械による施術だけでなく、理学療法士による「人の手」を使った運動療法を大切にしています。体を実際に動かすことで血流を促し、関節や筋肉の機能を回復させていく――そうした根本からの改善を目指しています。

たとえば肩が痛い場合、「安静に」と言われがちですが、実際には動かさないと可動域がどんどん狭くなってしまいます。痛みが取れても動かせなければ日常生活に支障が出ますし、スポーツなど趣味にも支障をきたしてしまいますので、患者さんが再び元の生活や活動レベルに戻れるよう、運動療法を積極的に取り入れています。

また、骨粗しょう症の診断や治療にも力を入れており、腰と股関節を正確に測定できる「全身型骨密度測定器」を導入しました。これは高齢者の骨折リスクが高い部位を国の推奨に基づいて測定するもので、超音波による簡易な検査よりも信頼性が高いです。治療後も数値として効果を追えるため、「本当に効いているか?」という疑問にも明確に答えられます。

加えて当院では再生医療も強みの一つだと思っています。こうした保険診療だけでは対応しきれないニーズにも応えられるよう、多様な選択肢を提供できる体制を整え、地域の方ならびに近隣の方に喜んでいただけるようなクリニックを目指しています。

ご自身で実践されている予防法などがあれば教えていただきたいです。

私自身、学生時代から腰痛に悩まされていたのですが、理学療法士の先生から「腹筋の弱さや体のバランスが原因」と指摘を受けてから、腹筋や体幹トレーニングを意識的に行うようになりました。その結果、腰痛が改善し、スポーツも問題なくできるようになったんです。やっぱり日々の習慣が大事なんですよね。今でも運動前には必ずストレッチを行い、ケガ予防に努めています。

最近は、デスクワークやスマホの影響で姿勢が崩れている方が多いです。特に首が前に出た状態、いわゆるストレートネックや反り腰などが増えています。首から背中、腰まではすべてつながっていますので、どこかに負担がかかると連鎖的に他の部位にも影響が出てしまいます。だからこそ、背骨全体を意識した姿勢をとることが大切です。

たとえば、モニターの高さを調整したり、椅子の座り方を工夫したりすることで、かなり改善することもあります。診察時には、そういった生活指導も含めてお話しさせていただいていますし、リハビリの現場では理学療法士さんとも連携して、専門的な視点からもアドバイスしています。医師とリハビリのプロ、2つの視点から支えるのが当院の強みですね。

本当は、痛くなってからではなく、痛みが出る前からご相談いただくのが理想です。特に骨粗しょう症などは、症状が出てからでは遅いこともあります。気軽に相談だけでもしてもらえたらと思っています。

最後に、患者さんへメッセージをお願いします。

当院は、「より良くするために何ができるか」を常に考える整形外科クリニックです。多様な選択肢の中から、患者さん一人ひとりに合った治療を提供できるクリニックを目指しています。より多くの患者さんに喜んでいただけるよう努めてまいりますので、まずは気軽にご相談にいらしてください。

都島整形外科クリニックの基本情報

施設名
都島整形外科クリニック
診療科目
一般整形外科、骨粗しょう症、スポーツの怪我、リハビリ、労働災害、交通事故診療、検診、先進医療、再生医療
責任者
生長弥須蔵 院長
電話番号
06-6180-6145
住所

〒534-0021
大阪府大阪市都島区都島本通1-7-9 クレールビル3F

公式サイト
https://miyakojima-seikei.com/

提携医療機関TOPへ戻る