先生のご経歴について教えてください。
初期研修を終えた後、私は大学の医局に所属し、大学病院で後期研修を受けました。その後、医局の人事で関連病院をローテーションしながら、約8〜10年間、整形外科医として経験を積んできました。各病院での勤務は1年から1年半ほどで、脊椎や救急、ひざのスポーツ疾患など多様な分野を学び、その中で私はひざスポーツを専門とする道を選びました。ローテーションを通じ、整形外科には病院ごとに得意分野があることを肌で感じましたが、患者さんにとってはその特色が見えづらいことも実感しました。
医局時代には、ひざのスポーツ疾患に特化した病院での勤務や、一般的な整形外科外傷、救急疾患への対応を行い、またスポーツチームのドクターも務めました。東芝のチームドクターをしていた頃は、ラグビーやバスケットボール、野球といった企業チームや、オリンピックを目指す選手たちとも関わり、試合に帯同したり、メディカルチェックを担当したりと幅広い活動を行いました。怪我の予防から試合中の緊急対応まで、選手たちが安心して競技に臨めるよう尽力してきました。
約10年の医局勤務を経て、自分の力を試したい、より地域に根ざした医療を実践したいという思いが強まり、医局の人事を離れて就職先を探しました。東大宮メディカルセンターでの勤務を通じ、大学関連病院では出会わなかった地域の患者さんと向き合う機会が増え、手術以外で患者さんの助けになりたいという気持ちが芽生えました。そうした思いが、整形外科クリニックの開業へとつながっています。手術に至る前の段階で、もっと患者さんにできることがあるのではないか。これからもその思いを胸に、日々診療にあたっています。