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UT整形外科 武蔵浦和

今回、再生医療を導入したUT整形外科 武蔵浦和の浦田 泰平(うらた たいへい) 院長にお話を伺いました。

10年近い医局勤務とスポーツチームドクターとしての経験から、より地域に根ざした医療を提供したいという思いでUT整形外科を開業した浦田院長。手術以外の選択肢を増やす理由やリハビリの重要性について、熱くお話しいただきました。

浦田 泰平(うらた たいへい) 医師プロフィール

UT整形外科 武蔵浦和 院長

日本整形外科学会 専門医・日本整形外科学会 認定スポーツ医・日本整形外科学会 認定リウマチ医・日本整形外科学会 認定運動器 リハビリテーション医

経歴
  • 2005年 東京大学医学部医学科 卒業
  • 2005年 東京大学医学部付属病院研修医
  • 2007年 東京大学医学部付属病院 整形外科学教室 入局
  • 2007年 虎の門病院
  • 2008年 都立府中病院
  • 2009年 さいたま赤十字病院
  • 2011年 都立駒込病院
  • 2012年 NTT関東病院
  • 2014年 日立総合病院
  • 2015年 東芝病院スポーツ整形外科
  • 2016年 都立広尾病院
  • 2018年 東芝林間病院
  • 2021年 彩の国東大宮メディカルセンター
所属学会
日本整形外科学会、日本膝関節学会、日本スポーツ整形外科学会、日本再生医療学会 学会員

UT整形外科 武蔵浦和
公式サイト

先生のご経歴について教えてください。

初期研修を終えた後、私は大学の医局に所属し、大学病院で後期研修を受けました。その後、医局の人事で関連病院をローテーションしながら、約8〜10年間、整形外科医として経験を積んできました。各病院での勤務は1年から1年半ほどで、脊椎や救急、ひざのスポーツ疾患など多様な分野を学び、その中で私はひざスポーツを専門とする道を選びました。ローテーションを通じ、整形外科には病院ごとに得意分野があることを肌で感じましたが、患者さんにとってはその特色が見えづらいことも実感しました。

医局時代には、ひざのスポーツ疾患に特化した病院での勤務や、一般的な整形外科外傷、救急疾患への対応を行い、またスポーツチームのドクターも務めました。東芝のチームドクターをしていた頃は、ラグビーやバスケットボール、野球といった企業チームや、オリンピックを目指す選手たちとも関わり、試合に帯同したり、メディカルチェックを担当したりと幅広い活動を行いました。怪我の予防から試合中の緊急対応まで、選手たちが安心して競技に臨めるよう尽力してきました。

約10年の医局勤務を経て、自分の力を試したい、より地域に根ざした医療を実践したいという思いが強まり、医局の人事を離れて就職先を探しました。東大宮メディカルセンターでの勤務を通じ、大学関連病院では出会わなかった地域の患者さんと向き合う機会が増え、手術以外で患者さんの助けになりたいという気持ちが芽生えました。そうした思いが、整形外科クリニックの開業へとつながっています。手術に至る前の段階で、もっと患者さんにできることがあるのではないか。これからもその思いを胸に、日々診療にあたっています。

再生医療に興味を持たれたきっかけを教えてください。

きっかけは、やはり選手に対して早く治してあげたいという気持ちからですね。再生医療には、例えばPRP療法や幹細胞治療といった手法がありますが、これらは靭帯や軟骨、筋腱などが早く修復する可能性があるとされています。

それから、再生医療には「手術に踏み切る前にできることが増えた」という大きな意味があります。これまでは保存療法が効かないとなると手術一択だった状況に対して、新たに選択肢を作れるようになった。それが私にとって再生医療導入に大きな魅力を感じた理由ですね。

私も整形外科医なので、再生医療という言葉には学会やスポーツ現場で触れることが多く、特に関節症や腱の痛みを抱えた方には、新しい選択肢になると感じています。PRPや幹細胞といった治療には、それなりに効果が期待できると考えていますし、スポーツに取り組む方だけでなく、一般の方にも適応できる場面はあると思っています。

「再生医療って特別なもの」というイメージがあるかもしれませんが、痛みや不調に悩む方にとってはとても身近な選択肢にできるようにしていきたいですね。

それまでは手術かヒアルロン酸くらいしか選択肢がなかった?

そうですね、ヒアルロン酸やリハビリで粘る、それでもダメなら手術、というのがこれまでの流れでした。でも再生医療があることで、手術が避けられるケースもありますし、手術を受けたくない方に対しても「もう一手ある」という希望が持てるようになります。

ただ、再生医療も万能ではなくて、病気が進みすぎてしまった方には難しい部分もあります。逆に、そこまで悪化していないけれど痛みが出ている方や、スポーツを続けたい方には良い選択肢になると思っています。

また、人工関節はとても有効な手術ではありますが、関節が一度人工物に置き換わると可動域や耐久性にどうしても制限が出ます。そのため激しいスポーツには向かないことが多いです。その点、自分自身の関節がそのまま残っている再生医療や骨切り術は、できるだけその人らしい動き方や運動能力を残せる可能性があると考えています。

UT整形外科のリハビリは他院とどこが違いますか?

「運動療法がメイン」だという点が一番の違いだと思います。

一般的な施設では、リハビリといえば電気を当てたり、患部を温めたりする「物理療法(物療)」が中心のところも多いです。しかし、当院ではそういった物療は一切行っていません。温めたり電気を使ったりという治療を期待される方には、「うちはそういうのはしていないんです」と最初にお伝えしています。

その代わりに、理学療法士がマンツーマンでしっかり時間をかけて運動療法を行います。関節や筋肉の動き、体の使い方を見ながら、根本的な原因にアプローチしていく。それが、私たちが大切にしているリハビリのスタイルです。

私自身も昔は、「治療といえばまず電気を当てるもの」というイメージがありました。でも本当に大事なのは、痛みの出ている部分だけを見て終わるのではなく、体全体のバランスを見て、少しずつ「正しい位置」に戻していくことなんですね。

当院ではその考えに基づいて、電気に頼らず、動かして整えるというリハビリを続けています。見た目は地味かもしれませんが、患者さん自身が「体が変わってきた」と感じてくれる、そんな医療を目指しています。

リハビリに力を入れる理由は何ですか?

やっぱり私は、リハビリによって患者さんの治療効果と満足度をもっと上げたいと思っています。同じ治療をしても、その後にきちんとリハビリをやった方とやらなかった方では、痛みや動き方に差が出ますからね。当院ではそこをとても大切にしています。実際にリハビリを受けてくださった方は、痛みが減って通院自体が不要になる方も結構います。リハビリは単なる「補助」じゃなくて、歴とした「治療」だと私は考えています。

もちろん私だけの力ではなくて、理学療法士たちがしっかり向き合って頑張ってくれているからこそです。湿布や薬だけでは難しかった痛みや動きが、リハビリを通じて改善するのを見ていると、やっぱりリハビリには大きな意味があるなと改めて実感しています。

「リハビリ=スポーツ選手」というイメージがある方は多いですが、私はそれをちょっと変えたいと思っています。もちろん術後や怪我からの復帰も大事なんですけど、それ以上に、普段の生活でちょっと動きづらい、痛い、といった方にこそリハビリが役立つんです。

たとえスポーツをしていなくても、日常生活のなかで腰やひざに負担がかかって痛みが出ることはありますよね。そういう方にもしっかりリハビリは適応になります。「怪我したからリハビリ」ではなくて、「痛みや不調が出たらリハビリ」というイメージを広げたいです。その辺りは、これからも啓蒙していきたいなと思っています。

開院してから印象に残った患者さんは?

今でもよく覚えている方がいらっしゃって。その方はスキーが大好きで、ひざがとても悪かったんです。レントゲンでは手術、具体的には人工関節が勧められるような状態でした。それでも「スキーを続けたい」という希望が強かったので、手術をせずにリハビリを中心とした保存療法で診させてもらいました。

その方は今もスキーを楽しめています。普通だったら手術を勧める場面なんですけど、私はできるだけその方の気持ちに応えたいと思いましたし、それに応えられる場を作れることが、開業医としてのやりがいでもありますね。画像だけ見て「もう手術しかない」という結論にするのではなく、その方にとってのベストを考えていきたいです。

ご自身でひざが痛くならないように気をつけている日常の動作はありますか?

私は自分自身、腰痛予防を意識して日常生活を送っています。前かがみにならない、座りっぱなしを避ける、関節をよく動かすことなどを心がけています。関節は動かすことで痛みの原因となる物質を流すことができ、痛みの軽減につながるのです。特に急性期を過ぎた後は、適度に動かすことが大切です。ただし、スポーツもやりすぎは逆効果で、体に負担をかけすぎると逆に関節や腰を痛めてしまいます。大切なのは負荷をかけすぎず、可動域を意識して体を動かすことだと考えています。

どんな診療を目指していきたいですか?

これからもできるだけ患者さん一人ひとりに向き合って、その方にとってベストな選択肢を一緒に見つけられるような診療を目指していきたいですね。そして、再生医療やリハビリといった手術以外の選択肢をどんどん広げていきたいと思っています。痛みがあっても前向きに過ごせる、その手助けができたら私にとってはそれ以上ないやりがいです。

また、今はとにかく、地域の皆さんに知っていただきたいという気持ちが一番です。「武蔵浦和で整形外科といえばUT整形外科」と思っていただけるようにしていきたい。そのためには、一人ひとりにきちんと向き合って信頼を積み重ねることが大切だと考えています。

通院される患者さんから「近くにできてよかった」という声をいただくと、私もとても嬉しいです。今後も身近な整形外科として、患者さんに寄り添った医療を提供していきます。

喜びを感じる瞬間は?

やっぱり患者さんが笑顔で「良くなったよ」と言ってくださるときが一番ですね。この仕事を選んだ理由もそれに尽きます。患者さんが喜んでくれることで、自分自身もこの仕事をしていてよかったなと心から思えます。

ただ、そのためには「痛みがゼロになりますよ」と安易に約束するのではなく、現実的にどこまでできるか、どんな結果が期待できるかをきちんとお話しすることがとても大切です。痛みがゼロにはできない方もいらっしゃるので、そのときにどこまで納得していただき、一緒に進めるかが一番大事なところだと思っています。

その場その場で今できることと、患者さんの希望のバランスをとりながら、「一緒にゴールを目指す」そのプロセスにやりがいを感じています。

最後に患者さんにメッセージをお願いします。

私は開業にあたって、地域に根ざした整形外科を目指しています。もちろん、すべての痛みを取れるとは言えませんが、今まで積み重ねてきた知識と経験を活かして、できることを一緒にやっていきたいと思っています。

「こんなこと相談していいのかな?」と思わずに、ぜひ気軽に来ていただきたいです。患者さんにとってベストな選択肢を一緒に見つけられるよう努めますので、これからもよろしくお願いいたします。

UT整形外科 武蔵浦和の基本情報

施設名
UT整形外科 武蔵浦和
診療科目
整形外科・リハビリテーション科
責任者
浦田 泰平 院長
電話番号
048-861-5500
住所

〒336-0022
埼玉県さいたま市南区白幡5-18-19 MID KUDOS TERRACE 3F

公式サイト
https://www.ut-seikei.com/

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