肌の再生医療とは?

肌の構造

皮膚には
「表皮」と「真皮」がある

私たちの肌は、外からの刺激に対するクッションの役割や、断熱・保湿・エネルギーを蓄える働きをする「皮下組織」、肌の強さや弾力を維持する「真皮」、それらを覆い、外界からの異物侵入を防ぎ、肌内部の水分蒸発を防ぐバリア機能の役割の「表皮」によって構成されています。

肌の厚さは約0.6mm~3mmと、部位によって異なりますが、平均すると約2mm程度ととても薄く、デリケートな器官です。

表皮

表皮は、肌の一番外側にある、普段私たちが目にしている部分です。厚さは平均してわずか0.2mm程度で、皮膚を構成する層の中で最も薄い層です。
表皮は、体の外側(表面)から順に以下の4層で成り立っています。

  • 角質層(かくしつそう) 角層(かくそう) とも言う)

    外的刺激からのバリア的な役割。下層から分裂によって押し上げられた角化細胞が最後にたどり着く層で、すでに細胞核は失われており、死んだ細胞が15層程度積み重なっている状態。角質層の表面には、汗腺から分泌される汗と皮脂腺から分泌される皮脂が程良く混ざった「皮脂膜」が角質層を守っている。

  • 顆粒層(かりゅうそう)

    外的刺激から皮膚を守る働き。「ケラトヒアリン顆粒」という小さなビーズのような粒が多数存在し、紫外線を反射させて深部への浸透を防止している。

  • 有棘層(ゆうきょくそう)

    数層~10層くらいの細胞が並んでできている最も厚い層。基底層と同じように様々な細胞を含み分裂を繰り返す。

  • 基底層(きていそう)

    真皮と接合している層。スポンジの凸凹のような波形を描き、真皮と互いに絡みあうことで、真皮から毛細血管を通じて栄養を吸い上げた角化細胞(ケラチノサイト)が分裂を繰り返し、新しい皮膚を生成する。

角質層は正常な状態であれば、15~20%の水分を含んでいます。私たちが化粧水や美容液を塗って潤いを与えているのも、この角質層です。

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表皮の役割

表皮はお肌の最も外側、私たちの体の表面にあり、外部からの刺激や異物の侵入、体の水分の蒸散を防ぎ、内部を保護する役割を持っています。

表皮の状態は美肌に直結する

水々しくキメ細やかで、ゆで卵のようなツヤのある肌を目指したいのならば、表皮が健やかでなければなりません。角質層の状態が健やかだと、光が均一に反射してツヤのある肌に見えます。これには肌の肌理(キメ)が大きく影響します。

肌の肌理(キメ)はどうやって作られる?

肌のキメは、皮膚表面の皮丘(ひきゅう)と、皮溝(ひこう)によって形作れられます。皮丘とは、肌の盛り上がった部分です。反対に、皮溝は皮丘と皮丘の間の谷となる部分です。

水分で満たされた角質層はふっくらとして、皮丘と皮溝の落差が適度に保たれています。健康な肌では角質層に約30%の水分が含まれているといわれてます。角質層の水分量が30%以下になると乾燥肌となってしまい、皮丘と皮溝の落差が大きくなり肌のキメが荒く見えてしまうのです。

角質層を乾燥させないことが美肌への近道

肌の潤いを保ちつつ、過剰な皮脂分泌のない滑らかな肌を目指したいのならば、角質層を乾燥させないことが重要です。そのためには、肌への摩擦は極力避けましょう。角質層を傷つけて肌の水分を逃がしてしまうため、乾燥の原因になります。肌の保湿には、化粧水やクリームなどでの補給も必要ですが、それ以上に肌からの水分蒸発を防ぐことも重要なのです。

乾燥は、肌あれ・かゆみ・かぶれ・小ジワなどの原因にもなります。

角質層の水分は3つの保湿因子に守られている

角質層の水分は、皮膚の表面で水分の蒸発を防ぐ「皮脂膜」、水分を抱える「天然保湿因子(NMF)」、「細胞間脂質(セラミド)」によって維持されています。この3つの保湿因子は、「三大保湿因子」とも言われています。

  • 皮脂膜

    毛穴から出てくる汗と皮脂が混ざり合ったもので、天然のクリームのようなもの。主にトリグリセリドや遊離脂肪酸、スクワランなどで構成され、肌全体を覆いながら乾燥を防ぎ、ほこりや細菌などから皮膚を保護しています。肌の水分量は角質層の水分量で決まり、角質層からの水分蒸発を防ぐのが皮脂膜の働きです。

  • 天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)

    角質層の細胞の中にあり、その半分がアミノ酸で構成されています。角質層の中で水分を抱え保持する役割があります。

  • 細胞間脂質(セラミド)

    角質層の細胞と細胞の間にある特殊な脂質で、その約50%をセラミドが占めています。何層にも重なり水分を挟み込んでいます。

ターンオーバーとは|角化細胞が垢となって剥がれ落ちる周期

角質層まで押し上げられた角化細胞が垢となって剥がれ落ちるまでの周期を「ターンオーバー」と言います。ターンオーバーの周期は、通常およそ4~6週間といわれています。

ターンオーバーの乱れとは?

剥がれ落ちるべき角質が肌の表面に留まり、溜まった状態を“ターンオーバーが乱れている”といいます。ターンオーバーの乱れは、ザラツキや乾燥、くすみや黒ずみといった肌トラブルにつながります。また、表皮はシミの元になるメラニンとも大きく関わっているため、表皮のターンオーバーを整えることで、シミやくすみ・黒ずみなどを溜め込まない、透明感のある白い肌を保つことができます。

ターンオーバーが乱れる主な理由

ターンオーバーが乱れ古い角質がいつまでも表皮に残ってしまうと、肌理(キメ)の粗さ、くすみ、シミなどの原因になってしまいます。ターンオーバーが乱れる理由はいくつか考えられます。

  • 加齢などの理由で角化細胞の増殖が悪くなり、ターンオーバーの周期が遅くなる
  • 紫外線の影響
  • 睡眠不足
  • 角質層の保湿不足
  • 肌の代謝を促進するビタミン、ミネラル、アミノ酸等の栄養不足
  • ストレス
  • 飲酒や喫煙
  • 運動不足
  • 便秘

肌の透明感とターンオーバーの関係性

表皮のターンオーバーは肌のキメや透明感にも関係しています。

ターンオーバーが順調に行われて、新陳代謝が活発な肌は、基底層の細胞が次々と分裂を繰り返しています。新しい細胞がどんどん生まれ、古い細胞がスムーズに剥がれ落ちていくため、常にきれいな状態を保つことができます。

基底層にはメラノサイト(色素細胞)があり、紫外線から体を守るためにメラニン色素を合成しています。日焼けで肌が黒褐色になるのはこのためです。

ターンオーバーが順調であれば、紫外線によってシミやくすみの原因となるメラニンが生成されたとしても、約4~6週間で剥がれ落ち、新しい細胞に置き換わるので透明感のある白い肌を保つことができます。

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真皮

真皮には血管やリンパ管、汗腺、毛包細胞などが通っており、皮膚の本体とも言える組織です。

真皮は皮膚の95%を占めています。さらに、真皮の約70%は「コラーゲン線維」、残りの約5%が「エラスチン」というタンパク質の線維によって構成されています。

コラーゲン線維を支えるようにエラスチンが網目状に形成されていて、その間を埋めているのが水分をたっぷり含んだ「ヒアルロン酸」です。そして、これらの生体物質を作る細胞が肌細胞である「真皮線維芽細胞」です。

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真皮をキッチンスポンジに例えてみると

スポンジ表面の片側は凸凹しています。これが表皮の基底層との結合部分で、スポンジを形成しているウレタン糸が肌細胞が作り出すコラーゲン線維とエラスチンです。

スポンジを水中に沈めると、たっぷりと水を吸い込みます。その水がヒアルロン酸です。

肌細胞はスポンジの中に点在し、スポンジに傷がついたり破れた時に、そこに集まってきてコラーゲン線維やエラスチンを作り出してスポンジの修復作業を行います。これが「創傷治癒」と呼ばれる、肌が元々持っている自己治癒の仕組みです。

新しいスポンジは、その網目が細かく等間隔で詰まっていて弾力があり、しっかりとしています。しかし、使い続けていくとスポンジの繊維がところどころ切れ、弾力を失ってしなびたように変形し、水分を溜め込む力が弱くなっていきます。この状態になるまで使い続けると、新しいスポンジとの交換を考えると思います。

このように、真皮はスポンジのような構造で皮膚の弾力を保つ役割を果たしています。

真皮を構成する成分であり、水分を蓄え、お肌のハリと潤いを保つのに欠かせない「コラーゲン線維」、「エラスチン」、「ヒアルロン酸」の3つの成分を作り出しているのが、真皮の中にある肌細胞(真皮線維芽細胞)です。

肌細胞は年齢とともに減少します。スポンジは使い古したら新しいものに交換できますが、真皮は一生自分のものを使い続けなければなりません。そのため、真皮を健やかな状態に保つことが、美肌にとっては不可欠なのです。

真皮の役割

肌のハリや弾力は、真皮のコラーゲン線維やエラスチン、ヒアルロン酸によって保たれています。

コラーゲン線維は強度を司るタンパク質で、伸びたり縮んだりしない反面、引っ張りに強い「膠原(こうげん)線維」です。一方、エラスチンはしなやかで弾性があり、力を外すと元へ戻る性質を持つ「弾性線維」です。つまりコラーゲン線維は“ハリ”を、エラスチンは“弾力”を特色としています。

ヒアルロン酸は、肌細胞(真皮線維芽細胞)以外に表皮の角化細胞でも作られ、生体高分子の中でも極めて巨大な分子です。なんと1gで6Lもの水分を保つことが可能な保水力があり、真皮の隙間を埋め、肌のハリを保つ手助けをしています。

真皮の中に存在する肌細胞は、これらを産み出す重要な細胞です。

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老化と肌細胞(真皮線維芽細胞)の関係性

コラーゲン線維とエラスチン、ヒアルロン酸、そしてそれらを生み出す肌細胞がそれぞれ関わり合いながら、肌のハリと弾力、潤いを保持しているのです。

しかし、肌細胞は年齢とともにその数は減り、さらに紫外線や外的要因(怪我やストレスなど)によりダメージを受けることでその機能が低下します。コラーゲン線維などを生み出す肌細胞が減少すれば、真皮内でのコラーゲン線維やエラスチン、ヒアルロン酸も減少し、真皮の弾力や水分量も減ってしまいます。

そうするとスポンジ構造が保てなくなり、使い古したスポンジのように弾力がなくなってしまいます。肌のハリが失われ、シワやたるみが表れるのです。

加齢とともにコラーゲン線維の増える量が減り、ターンオーバーが上回る

肌細胞がコラーゲン線維を少しずつ生産して分泌すると同時に、コラーゲン線維は少しずつ分解してゆっくりと代謝回転(ターンオーバー)をしています。
肌細胞の数は40代あたりから急激に減少すると言われており、これに伴って真皮のコラーゲン線維の量も低下します。これはコラーゲン線維の分解量が合成量を上回るためと考えられています。

コラーゲン線維と老化架橋

肌のハリや弾力を決定づけているコラーゲン線維は、その線維と線維の間に架橋し(橋をかけるということ)、強度を保っています。

架橋はコラーゲン線維の結合をより強固にするとともに、網目状に張り巡らされた繊維と繊維の間に水分を蓄える役割も果たします。このコラーゲン線維の性質によって、肌は柔軟性と弾力性、保湿性を保つことができています。

肌細胞はコラーゲン線維を少しずつ生産して分泌すると同時に、少しずつ分解してゆっくりと代謝回転しています。しかし、加齢につれて真皮のコラーゲン代謝が衰えると、古いコラーゲン線維が分解されないために、余分な架橋がどんどん作られ、余計な架橋(老化架橋)が増えていきます。

老化架橋が増えると、今度はコラーゲン線維同士の結びつきが強まり過ぎて、組織が硬くなってしまいます。これも、老化現象としての皮膚の水分が失われてシワができる一つの要因です。

真皮で水分が消失しカサカサに乾き、その影響が表皮にシワとなって現われるのです。

老化架橋を増やす原因は加齢だけでなく、紫外線や排気ガス、ストレス等が挙げられます。

老化架橋を防ぐためには、肌細胞によるコラーゲン線維の生成を促す必要があります。

加齢に負けない美肌を維持するには、肌細胞を増やすことが必要

年齢を感じさせない美肌を維持するためには、加齢とともに減少するコラーゲン線維やヒアルロン酸を補うのがベストな方法です。

コラーゲン注射やレーザー、高周波治療器などでコラーゲン線維やヒアルロン酸を補う方法もありますが、最も確実な方法は、美肌に必要不可欠な全ての成分を生み出す工場でもある肌細胞を増やすことです。

しかし、肌細胞自体を化粧品やレーザーなどで増やすことはできません。

肌の再生医療は、自身から採取した肌細胞を培養し移植することで、減ってしまった肌細胞そのものを増やすことができる唯一の治療法です。

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