豊胸の手法は手軽なものからメスを使う手術まで、様々な手法があります。豊胸を考えるものの、安全性や費用面で一歩踏み出せないという方もいるのではないでしょうか。将来的に出産や授乳などを希望している場合はなおさら、豊胸手術の安全性は気になるものです。
安全かつ価格も適正で、コストパフォーマンス(費用対効果)が優れている豊胸術はどのようなものがあるのでしょうか。
豊胸コラム
豊胸の手法は手軽なものからメスを使う手術まで、様々な手法があります。豊胸を考えるものの、安全性や費用面で一歩踏み出せないという方もいるのではないでしょうか。将来的に出産や授乳などを希望している場合はなおさら、豊胸手術の安全性は気になるものです。
安全かつ価格も適正で、コストパフォーマンス(費用対効果)が優れている豊胸術はどのようなものがあるのでしょうか。
豊胸といえば、シリコンなどを入れる乳房インプラントが主流だった過去から、今ではプチ豊胸と呼ばれるヒアルロン酸豊胸術や脂肪注入豊胸術がメインになっています。
豊胸術にはたくさんの手法がありますが、それぞれの特徴と安全性はどのようになっているのでしょうか。
豊胸手術といえば、シリコンバッグを入れる乳房インプラントが有名です。乳房インプラントは、手術をすればすぐに大きく理想的なバストを手に入れることができますが、術後の形に満足できないケースや、硬さやカプセル拘縮などのトラブルを抱える人が多くいることも事実です。
『シリコンバッグを入れて1年間は何もなかったが、その後左胸だけが腫れてしまったため、施術をした美容外科に行くと、発熱を原因とした細菌感染により起こってしまったと言われた。抗生物質を処方され熱は下がったものの、痛みはそのまま残り、シリコンの周りの皮膚が厚く、感触も硬くなってしまった。』
上記のようなトラブルの事例も、多数報告されています。
また、シリコンバッグには10年程度の寿命があるため、将来的に入れ替えや抜去の手術が必要です。体内に人工物を入れることで、様々なリスクがあると考えられています。
シリコン自体は、乳がんや妊娠・出産には直接影響を及ぼしません。しかし、授乳期に発達した乳房がシリコンバッグを圧迫するため、痛みや母乳に影響が出ることがあります。
また、乳がん検査ではシリコンバッグが入っていると、一部の検査が受けられません。乳がん検査には、エコー検査とマンモグラフィー検査がありますが、マンモグラフィー検査は、バストを機器で挟んで検査をする方法です。マンモグラフィーでは、シリコンバッグが破損する恐れがあるため、乳房インプラントをしている方は受けられません。将来的に、授乳やマンモグラフィーによる乳がん検診を受けたい方は避けたほうがいい豊胸術でしょう。
また、人工物を挿入することにより、細菌やウイルス感染などで胸部が炎症を起こしてしまうことは十分考えられます。
手術は適切な麻酔管理が必要になることから、手術から術後までリスクが高い豊胸術です。
非吸収性充填剤豊胸術とは、アクアフィリング豊胸などの名前で呼ばれ、生理食塩水などを注射でバストに注入する豊胸術です。ヒアルロン酸豊胸術よりも長持ちし、しこりができにくいという謳い文句で広まり、一時期はとても人気のある豊胸術でした。
しかし非吸収性充填剤は、経年の経過とともに変形や感染、石灰化などの合併症を引き起こすことが報告され、その他にも痛み・炎症やしこりなどのトラブルが多発し、2017年には日本美容外科学会より「非吸収性充填剤を豊胸で使うべきではない」という共同声明が発表されました。また、合併症の危険性から、米国食品医薬局(FDA)では非吸収性充填剤を豊胸に使うことを禁止しています。
現在は、上記のようなトラブル事例をはじめ、アクアフィリング豊胸に対する世界的な評価の低下を受け、積極的に行なっている医療機関・クリニックは激減し、避けるべき豊胸術という考えが一般的になりました。
得られるメリットは大きいものの、トラブルや失敗の可能性も高い「乳房インプラント豊胸術」や「非吸収性充填剤豊胸術(アクアフィリング豊胸)」はリスクも比較的大きいことがわかりました。
では、上記以外の選択肢にはどのようなものがあるのでしょうか。
ヒアルロン酸豊胸術は、カニューレと呼ばれる極細の注射針を用いて、バストへヒアルロン酸を注入する豊胸術です。局部麻酔で行なうことができ、手術にかかる時間は30分程度です。
ヒアルロン酸は、豊胸以外にも顔のシワやたるみをはじめとするアンチエイジング治療でも多くの症例があり、美容医療の分野で幅広く使われている製剤です。
また、市販されている化粧水などの化粧品はもちろんのこと、サプリメントや飲料水などに含まれていることも多く、身近に感じる方が多いのではないでしょうか。
ヒアルロン酸自体は、人間の体に元々存在する物質のため、異物を入れることによって起こるアレルギー反応の心配はほとんどないといえます。
また、半年~1年ほどかけて体内に吸収され、最終的に体外に出るため失敗などのリスクも低いといえるでしょう。
ヒアルロン酸には色々な種類がありますが、国や米国食品医薬局(FDA)によって許可を受けた製剤であれば、安全性が高いと言えます。
ヒアルロン酸豊胸では、全体的なバストアップだけでなく、左右差の改善やリフトアップなどのバストのデザインも可能といわれており、理想的なバストに近づけることができます。
さらに、ヒアルロン酸豊胸は乳腺への影響がなく、授乳が必要になっても母乳への影響はありません。
ヒアルロン酸は、持続期間が長くても1年~2年と短く、注入の量や技術によってはしこりになるなどのリスクはありますが、比較的安全な豊胸手術の一つだといえます。
脂肪注入豊胸術は、自身の太ももや下腹部などにある脂肪を抽出し、不純物を取り除いた上でバストに注入する豊胸術です。自分の脂肪を用いることから、アレルギー反応が出にくく、注射を使うため、傷跡も残りにくい施術だといわれています。
過去に脂肪吸引での事故事例が報告されたこともありますが、これは皮下脂肪ではない層にカニューレ(注射針)を挿入してしまったケースです。こういった事故は知識と技術がある医師であれば、通常はほぼ起こりえない事故だと考えられます。また、脂肪吸引は全身麻酔を使って行うことが多い施術ですが、専門の麻酔医によって管理されていれば、麻酔が過多となる事故も起こりえません。
自分の皮下脂肪を注入する豊胸術のため、出産や妊娠、授乳へも影響を及ぼさないといわれています。脂肪が定着すれば、その効果は半永久的ですが、その定着率には個人差があります。
他の豊胸術と比較するとリスクが低く、長持ちするということで人気なのが脂肪注入豊胸術です。
脂肪由来幹細胞豊胸術は、濃縮した脂肪に幹細胞を加えてバストに注入する豊胸術です。従来の脂肪注入豊胸術よりも、定着率が高い方法として注目を集めています。
脂肪由来幹細胞豊胸術は、再生医療として大学病院での乳房再建手術でも取り入れられているほか、様々な医療機関・クリニックでも導入されています。
脂肪由来幹細胞豊胸術には2種類の方法があります。
非培養脂肪由来幹細胞豊胸術(セリューション豊胸、CAL豊胸)
脂肪から幹細胞を取り出し、脂肪と混ぜてから注入する豊胸術
培養脂肪由来幹細胞豊胸術(セルチャー豊胸、脂肪再生豊胸、胸の再生医療)
培養した幹細胞を脂肪に混ぜて注入する脂肪再生豊胸術
2種類の違いは、幹細胞を培養しているかしないかという点です。幹細胞を培養して増やすことで、培養しない場合と比較し脂肪の定着を促します。
培養した幹細胞を使うと、採取が必要な脂肪量が通常のおよそ10分の1になります。つまり脂肪吸引時には少しだけ抽出できればよく、脂肪吸引の負担がかなり減ります。また痩せ型で採取できる脂肪量がもともと少なく、脂肪注入豊胸術や非培養脂肪由来幹細胞豊胸術に向いていないとされた方であっても、問題なく施術を受けることができます。
乳がん手術後の乳房再建のため、脂肪再生豊胸を選ぶ方が増えています。また、乳房再建だけではなく、美容目的の豊胸としてさまざまなクリニックが取り入れ始めている最先端の豊胸技術です。
脂肪由来幹細胞豊胸術は、自分の脂肪と幹細胞を注入するため、副作用の心配がありません。
この幹細胞を使った再生医療は、国の認可が必要です。厚生労働省が定める「特定認定再生医療委員会」から、安全性や管理体制などの審査を受け、許可を得てはじめて医療の提供が可能になります。そのため、どのクリニックでも受けられるものではなく、許可を得た限られたクリニックでしか治療を受けることができません。
培養幹細胞を用いた豊胸術は、症例数がまだ多くないものの、今まで有害事象が報告されておらず、安全性が高く安心して受けることができる豊胸術です。
安全性が比較的高い豊胸として、ヒアルロン酸豊胸術と脂肪注入豊胸術、脂肪由来幹細胞を用いた豊胸(胸の再生医療)が挙げられることがわかりました。
プチ豊胸は注射だけと手軽なため、価格面でリーズナブルという印象がありますが、支払う金額に見合う価値があるか、よく検討する必要があります。ヒアルロン酸豊胸術は、1回あたりの費用が安く済みますが、継続すると高額になるため、期間限定でバストアップを試したい方に向いています。
脂肪注入豊胸術はバストが維持できれば気になる部分の痩身ができてお得といえます。
脂肪由来幹細胞豊胸術は、価格面で脂肪注入豊胸術とあまり変わらないものの、安全で維持率も高い方法です。
豊胸術を検討する際には安全性が高いことはもちろんのこと、支払う費用に見合った豊胸術であるかを見極め、納得のいくバストを手に入れましょう。
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