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【医師監修】ボトックス注射の効果と特徴…打ち続けたりやめるとどうなる?

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「シワを消したり、リフトアップする」夢のような治療法が、米国での大ブームを経て日本にも上陸したのが約20年前のこと。気になるシワに注射するだけなので、治療にかかる時間はほんの10分。治療から2~3日後には、毎日鏡で自分の顔を見てはため息をついていた、にっくき“シワ”から解放されるとあって、日本でも美に敏感な女性の心を鷲掴みにしました。

そんな夢のようなシワを消す治療法の「ボトックス注射」は、プチ整形として今や常識となりつつあります。しかし、お手軽にできるからこそ、本当に安全なのか?本当に効果はあるのかをしっかりと見極める必要があります。

北條医師

この先生が監修しました

北條 元治 先生

株式会社セルバンク代表取締役。東海大学医学部客員教授。
信州大学附属病院勤務を経てペンシルベニア大学医学部で培養皮膚を研究。帰国後、東海大学にて同研究と熱傷治療に従事。
2004年、細胞保管や再生医療技術支援を行う株式会社セルバンクを設立。2005年、RDクリニック開設に際し、培養皮膚の特許を供与。
著書に『ビックリするほどiPS細胞がわかる本』・『美肌のために必要なこと』他多数。

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株式会社セルバンクは特定細胞加工物製造事業者として、再生医療の普及活動を行なっており、その一環として関連する医療・美容情報につきましても発信しております。
Contents
  1. ボトックス注射とは?
  2. ボトックス注射を応用してできること
  3. ボトックス注射の効果の持続期間
  4. ボトックス注射のメリット・デメリット
  5. ボトックス注射を打ち続けたりやめるとどうなる?

ボトックス注射とは?

ボトックスとは、米国のアラガン社の商品名です。

ボトックスの主要成分は、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム属菌(Genus Clostridium)のA型毒素(Botulinum Toxin A)で、一般的にはボツリヌストキシンと呼ばれている“毒”で、神経に作用し筋肉の動きを止める“毒”です。しかし、医療用のボトックスは、天然のたんぱく質から作られた毒素を分解し、精製されているため全身的な害は無く、注射をした部分(局所)だけに効果(神経毒)を発現します。

眼科、神経内科の領域で、眼瞼・顔面痙攣などの治療に以前から用いられているれっきとした治療薬です。筋肉の弛緩(緩める)効果(神経毒)があることから、脳梗塞後の後遺症による痙縮(手や足が勝手につっぱったり曲がってしまったりしてしまう状態)を軽減させるためにリハビリの現場でも使われています。

その薬理作用から、シワ取りなどの効果が認められ、アンチエイジングの領域にもボトックスが応用されるようになり、急速に美容界にも普及しました。

ボトックス注射の効果と有効な部位

ボトックス注射は、表情筋の収縮運動によって引き起こされるシワに有効です。

従来の手術などによるシワ伸ばしの方法では治療が難しいとされた、表情筋の収縮運動が原因であるシワに対して、ボトックス注射は効果があるとされています。

他にも、目を見開いた時にできるおでこのシワ、笑った時にできる目尻のシワ、口を窄めた時に顎にできる梅干しのようなシワなどの、表情の変化によってできるシワにも有効です。

2009年には、眉間の表情ジワへの適応で厚生労働省から認可を受けました(自費診療)

無表情な状態でも存在する、皮膚の弛みが原因でできるシワへの効果は満足する結果が得られない可能性が高いですが、これ以上シワを悪化させないための予防としての効果は期待できるといわれてます。

前頭筋
眉を引き上げおでこにシワを作る
皺眉筋
眉間にシワを作る
鼻根筋
眉間の皮膚を引き下げ、眉間に縦シワを作る
眼輪筋
上下の瞼を閉じる
オトガイ筋
顎に梅干の種のようなシワを作り、隆起させる
広頚筋
口角を下方に引く働きをする

ボトックス注射がシワに効く仕組み

人は考え事をしたり痛みを感じた時、おでこや眉間にシワを寄せ、顔をしかめることがあります。

これは、自分の意思で「おでこや眉間にシワを寄せよう」としているわけではありません。脳から無意識に発せられる『表情筋を縮ませろ』という指令が伝わり、筋肉が収縮運動を起こすことでおでこや眉間にシワが寄り、豊かな表情ができあがるのです。

この無意識下で脳から送られるシグナルに反応し、実際に筋肉を動かすのが“アセチルコリン”という神経伝達物質です。脳からの筋肉への「縮め」というシグナルによってアセチルコリンが分泌され、筋肉が動くという仕組みです。

ボトックス注射の有効成分は、このアセチルコリンの分泌を阻害する「ボツリヌストキシン」という“神経毒です。

つまり、脳からのシグナルが発信されても、アセチルコリンが分泌されず筋肉にシグナルが届かないため、一時的に麻痺した状態になるのです。筋肉が収縮運動できないので、当然シワもできません

これが、眉間や額、目尻のシワなどの表情筋にボトックス注射をすることでシワの改善に効果が期待できる仕組みです。

ボトックス注射を応用してできること

ボトックス注射は安全性も高く、リスクが低い治療のため、様々な医療機関で広範囲な部位で応用されています。治療時間も数分程度と短く、簡単に施術でき、2~3日で効果が出るため即効性も高いのが特徴です。筋肉の動きを麻痺させるボトックス注射の特徴を応用し、様々な部位で施術をすることが出来ます。

フェイスラインのリフトアップ

ボトックスリフトと呼ばれるボトックス注射によるリフトアップの治療も行われています。首の前面は広頚筋という筋肉で覆われており、この広頚筋は下方向に作用するため、広頚筋が収縮すると頬が下向きに引っ張られます。広頚筋にボトックス注射をし筋肉の収縮運動を抑制することで下方向への力がかからなくなり、フェイスラインのたるみが改善されるという仕組みということです。ただし、広頚筋が弛緩する(緩む)ことで、本当にフェイスリフトができるかどうか、懐疑的な意見も根強くあります。

また、ボトックス注射によるフェイスラインのリフトアップ効果には個人差があります。フェイスラインの弛みの原因が、老化(真皮内の線維芽細胞の減少)による肌弾力の低下の可能性があるためです。

満足のいく結果が出る治療を行うためには、注入量や注入方法などの判断をするドクターの高い技術と経験が必要になります。また、元々のお肌の状態によって改善の程度は異なり、場合によっては別の治療との併用も必要となることがあります。

眉間のシワの改善

眉間はボトックス注射の効果が感じられやすい部位だと言われています。例えばパソコンやスマートフォンを長時間見続けるうちに、いつの間にか眉間にシワが寄ってしまうことがあります。眉間の深い縦ジワがクセになってしまうと、怒っていたり、老けている、もしくは陰険な印象を与えてしまいます。

眉間のシワの出方は主に皺眉筋、鼻根筋、前頭筋と、3つの筋肉の強さのバランスで決まります。ボトックス注射で、眉間にある各筋肉の強さを調整し適切な量で打つことでシワの改善に効果が期待できるのです。

三角眉毛の改善

眉の上の筋肉に力を入れて目を見開くクセのある方や、生まれ持った筋肉の付き方などにより、眉毛が三角形に、山のような形となり跳ね上がってしまうことがあります。これを通称「三角眉毛」といいます。

三角眉毛は、力強くクールな印象を与えますが、捉え方によっては男性らしい印象となり、気になるという方もいるでしょう。眉の上の筋肉が原因の三角眉毛は、前頭筋へのボトックス注射で改善することができます。

目の周りへのボトックス注射

目の周りは皮膚が薄く、特にシワが目立ちやすい箇所です。顔の中で最も表情ジワが出来やすく、乾燥や紫外線の影響でちりめんじわや加齢によるシワも増えやすくなります。眼輪筋(がんりんきん)は目の周りをぐるっと囲んでいる筋肉で、この箇所へのボトックス注射は特に眼輪筋が収縮するときにできる目じりのシワに有効です。

目の周りの表情ジワは年齢が若い方でも目立つことがあり、残念ながらどれだけ保湿やお手入れをしていても避けることは出来ません。しかし、表情ジワはボトックス注射で改善出来る可能性が高いです。効果はおよそ3日程で出始め、1週間程で効果を実感することができると言われています。さらに、ボトックス注射を目の周りに打つことで、新しいシワが出来にくくする予防効果もあります。

注意点として、目の周りのボトックス注射は、注入量が多いと無表情またはひきつった印象を受けてしまいますので、医師と相談しながら適切な量で打つことをお勧めします

顔のデザイン

ボトックス注射の効果を応用して、大掛かりな外科的手術を行うことなく、ある程度の顔のデザインを行うことも可能です。

肩こりの改善

肩こりの筋肉(僧帽筋(そうぼうきん))にボトックス注射を打つことで、筋肉の緊張による肩こりを改善することができます。肩へのボトックス注射に即効性はなく、およそ一週間ほどかけて徐々に肩が軽くなっていくといいます。

整形外科や整骨院・接骨院などでの肩こりの治療には保険適用となるケースもありますが、肩こりの改善が目的のボトックス注射は基本的に自由診療となります。

エラへのボトックス注射で小顔に

ボトックス注射はエラの張った顔(ホームベース型の輪郭)の改善にも有効といわれています。エラが張っている原因として考えられるのは、元々の骨格の場合のほか、「咬筋(こうきん)」という筋肉の過剰発達のことも多いといわれています。

咬筋は物を噛むときに下顎を引き上げて歯をかみ合わせする筋肉で、頬骨回りのほぼ全域を覆っています。また、咬筋は正面から見る顔の輪郭(フェイスライン)に影響を与えます。咬筋が過剰に発達していると、エラが張っている状態になり、顔が大きくゴツゴツした印象を与えます。ガムやグミ、せんべいなどの堅いものをよく食べる方や、歯を食いしばるような運動をされている・過去にされていた方、歯ぎしりをする方は咬筋が発達しやすいと言われています。

咬筋の過剰発達が原因でエラが張っている場合、ボトックス注射で改善の効果が期待できます。ボトックス注射を打ち筋肉を常時麻痺させることで、徐々に咬筋を痩せさせ、細くしていき、エラを目立たなくするのです。

ボトックスによって動きが抑えられた咬筋が痩せ細ることを、咬筋の「廃用性委縮(はいようせいいしゅく)」と言います。筋トレすると筋肉が大きくなり、筋トレをやめると筋肉が細くなっていくのと同じです。その結果エラの張りが改善され、小顔になれるのです。咬筋が発達している人ほど、その効果は劇的に感じられます。

このエラへのボトックス注射は、睡眠中に無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりなどの改善にも効果が期待でき、実際に歯科の分野でも治療に使われています。

ボトックス注射のエラへの施術にかかる時間は他の部位と同じく5分程度のごく短い時間です。施術後3日程でエラの部分の筋肉に違和感を感じ始め、咬筋の筋力が落ち自然に細くなっていき、6ヶ月ほど効果が持続するといわれてます。

ガミースマイルの改善

ガミースマイル(Gummy Smile)とは、歯科用語で歯茎が見える状態のことを言います。歯茎の部分が最低3ミリ以上に見える状態がガミースマイルに相当します。

普段は歯茎が見えないのに、笑うと必要以上に露出してしまうことがコンプレックスという方もいるでしょう。

ガミースマイルの原因は歯の長さや、歯が生えている位置など、様々なことが考えられます。さらに、上顎骨が過剰に発達していたり、上唇周りの筋力が強く笑うと歯茎が見えやすくなるケースなど、複数の原因が含まれている場合もあります。

笑った時に歯茎が見えるガミースマイルの治療では、唇を上に挙げる筋肉(上唇挙筋)にボトックス注射を行うことにより、上唇を麻痺させて歯茎の露出を抑えます

ボトックス注射による治療法以外には、歯肉の形成治療や歯並びの矯正という方法もあります。しかし、大がかりな手術になる可能性があることや、治療期間が長く改善するまでに時間がかかることがデメリットといえます。

ガミースマイルの治療法の中で、ボトックス注射は手軽にでき、かつ有効な治療法です。メスを入れたりする大がかりな治療や、長期間に渡る歯列矯正に抵抗がある方でも気軽にトライできる治療法だといえます。

ボトックス注射によるガミースマイルの治療効果が続くのはおよそ6ヶ月ほどといわれています。

口角を上げる

顔の印象は口角によっても変わります。年齢を重ねると肌の弾力が減り、たるむことで口角が下がりがちになり、不機嫌で老けている印象を与えやすくなります。逆に、口角が上がっていると明るく若々しい印象を与えることができます。

口角に関わる筋肉は、口角下制筋という下顎あたりの筋肉です。この口角下制筋にボトックス注射を行うと、下向きに引っ張る筋肉の力を弱めることができ、口角が下がるのを抑える効果があります。

口角の引き上げにボトックス注射は有効といわれているものの、原因が加齢によるたるみの場合、効果が得られない可能性もあります。そのため、実際に自分の口角の問題がボトックス注射で改善できるのか、医師に診断してもらう必要があります。

オイリー肌や毛穴の開きの改善

メソボトックス、マイクロボトックス、シンデレラリフトなど様々な呼び方がありますが、ボトックスを筋肉ではなく真皮に注射し、真皮内の皮脂腺や汗腺などヘシグナルを伝達している神経をブロックすることで、皮脂の分泌を抑える治療法もあります。ニキビの治療や予防にも効果があるともいわれていますが、否定的な見解を持つドクターが多いのも確かです。表情筋への注射とは違い、全顔の真皮へ満遍なくボトックスを注射します。

多汗症の改善

わきの下や手足などに必要以上の汗が出て、日常生活に支障をきたす「多汗症」の治療にもボトックス注射は利用されています。

私たちの体に汗が分泌されるよう促すのも、神経伝達物質の「アセチルコリンです。ボトックス注射はアセチルコリンの分泌を阻害するため、発汗作用を抑えることができます

だけでなく、額、鼻、顎、手、足の裏など、汗が出て悩む様々な部位に施術可能です。

特に発汗しやすい脇の下へのボトックス注射は、保険適用もされています。

多汗症に対するボトックス注射の効果は、およそ3~4ヶ月程持続するといわれています。夏場の発汗に悩む場合には、一度のボトックス注射でその夏を乗り切る事ができる方もいます。

部分痩せの効果

ボトックス注射は、神経伝達物質の「アセチルコリン」の分泌を阻害するため、筋肉の動きが滞ります。筋肉は、使っていないとどんどん細くなっていきます。これを「廃用性萎縮」といいます。その原理を応用して行うのが、ボトックス注射での身体の部分痩せです。

ボトックス注射での部分痩せが有効だといわれている部位は以下になります。しかし、骨格筋を廃用性委縮させることに関しては、十分にドクターの説明を聞いてからにしましょう。

肩痩せ

スマートフォンを長時間見たり、コンピューターを使った仕事をしている方などは、肩にある僧帽筋(そうぼうきん)が張っていることが多いです。肩の筋肉が張っていると、ゴツゴツとして見えたり、身体が大きく見えたりします。僧帽筋は首から背中にある大きな筋肉です。この僧帽筋にボトックス注射をすると、肩の盛り上がりを抑え、綺麗な肩のラインを作ることが出来ます。また、肩こり、頭痛の改善にも効果が期待できるといわれています。

腕痩せ

ダイエットをしても、二の腕はなかなか痩せにくいと言われています。二の腕は筋肉量が多い部位です。また、脂肪がつきやすく、たるみやすい箇所でもあります。

二の腕太りには様々な要因があります。皮膚のたるみや脂肪太り、姿勢の悪さや筋肉太りなどがその例です。学生時代に運動をしていて、なかなか筋肉が落ちないなどのお悩みがある方も、ボトックス注射で女性らしいすらりとした二の腕に近づける効果が期待できるといわれています。

脚痩せ

スポーツをしていたり、ヒールを履くことが多い方は、ふくらはぎや太ももの筋肉が発達して筋肉太りをしている傾向があります。ふくらはぎはなかなか痩せにくく、脚痩せをしようとしても筋肉がより発達しやすく、男性的な脚に近づいてしまう場合もあります。また、太ももは身体の構造上、筋肉量が多くダイエットしても細くなりにくい部位です。ボトックス注射をすることで、過剰な運動をしなくても筋肉が細くなり女性らしい華奢な脚のラインへを形成する効果が期待できるといわれています。

ボトックス注射の効果の持続期間

ボトックス注射の効果は一時的なもので、根本治療ではありません。ボトックス注射の持続効果は、数ヶ月から半年。また2回目・3回目と繰り返しボトックス注射を打ち続けると、徐々に効果が出にくくなると言われています。

それは、ボトックス注射によってアセチルコリンの分泌を阻害された神経が、脳からのシグナルを筋肉に伝えるための新たな神経を作ってしまうからです。

新たな神経が出来上がるまでの期間が、大体数ヶ月から半年ということになります。ですので、ボトックス注射の効果を持たせたい場合は、定期的にボトックス注射を打つ必要があります。

ボトックス注射のメリット・デメリット

メリット

  • すぐに効果が出る・即効性が高い
  • ダウンタイムが短い
  • 手軽にできる
  • 効果に納得がいかなくても時間が経てば元に戻る

副作用・デメリット

内出血・腫れ・かゆみ

ボトックス注射後には、2~3日ほど部位が腫れたり、内出血がでたり、かゆみがある場合もあります。数日で目立たなくなるので、特に心配する必要はありませんが、注射後に予定がある場合は、留意しておくべきでしょう。

アレルギー反応が起こる場合もある

ボトックス注射を打つと、アレルギー反応が起こる場合があります。主に、製剤に含まれる添加物に対するアレルギー反応が出ることもあります。しかし、ボトックスの種類を変えることで治療が継続できる場合もありますので、アレルギー反応が出た際には担当の医師と相談して決めるのがベストでしょう。

ボトックス注射が受けられない人もいる

妊娠中・妊活中・授乳中・疾患がある人はボトックス注射を受けることができません。

一般的に、ボトックス注射は胎児に影響を与える「可能性がある」とみなされているため、ボトックス注射は妊娠中または妊娠を希望をしている人、授乳している人に推奨されていません。

表情が不自然になることがある

ボトックス注射を打つ際に、打つ量や部位を間違えると不自然な仕上がりになりかねません。ですので、ボトックス注射の製剤や打つ量、シワの深さ、注射部位の筋肉のことなどを熟知している医師のもとで治療を受けることが大切です。打つ部位や量を誤ってしまうと、顔の筋肉が動きにくくなり、表情に違和感が出るといったトラブルが起こることがあります。またごく稀にA型ボツリヌス毒素の効果が強く出た場合、一時的に表情が不自然になることがあります。ただし、ボトックス注射は時間の経過とともに効果が無くなるので、不自然な結果になったとしてもそれはあくまで一時的なものではあります。

頭痛が生じることがある

主に顔へのボトックス注射を打った場合、顔の筋肉のバランスが変わり、今までと違う筋肉が動くことがあります。その影響で筋肉が疲労し、倦怠感が表れたり頭痛を引き起こす場合があります。

咀嚼をする力が弱くなる

小顔効果を狙ったり、エラにボトックス注射を行なった場合、食べ物を噛む時に使う筋肉の力を緩めることになります。そのため、しばらくは噛む時に違和感があったり、固いものが咀嚼しづらくなることが考えられます。

医師の経験や腕前によって効果に差が出る場合がある

ボトックス注射の効果が続くのは長くて半年。シワが改善した状態を維持したい場合は継続的にボトックス注射を行う必要があり、施術を継続すればそれだけ費用が嵩みます。

また、長期間にわたりボトックス注射の治療を続けていくと、ボトックスに対する抗体ができて治療効果が出にくくなる可能性があります。

ほうれい線には効果が期待できない

ほうれい線はシワのように見えますが、実はシワではありません。正式には「鼻唇溝(びしんこう)」といい、口角が上がったときに生じる“溝”です。

ほうれい線は実は生まれたときからあるのですが、年齢を重ねることで目立つようになってきます。

ほうれい線が目立つ原因は、加齢によって肌のハリや弾力が低下する皮膚の弛みによるもの、鼻と頬の境目付近にある表情筋の発達が原因でよりほうれい線が目立ってしまうもの、その両方が組み合わさったもの、がほとんどです。皮膚の弛みから目立ってしまったほうれい線にボトックス注射を行ってもあまり変化は見られません

皮膚の弾力低下によるほうれい線の治療には肌の再生医療やヒアルロン酸、コラーゲン注入などが適しています。原因ごとに適した治療法を選択しないと、希望した効果が得られないことがあります。

ボトックス注射による思わぬ顔の変化に注意

顔の表情を作る表情筋は、何種類もの筋繊維が複雑に重なり合って成り立っています。

そのため、仮に眉間のシワを目立たなくするために「皺眉筋」にボトックス注射をして効果が出たとしても、その周囲にある別の表情筋にまでボトックス注射による影響が出てしまう可能性があるのです。例えば、眉頭の位置が変わったりなど、意図せぬ表情の変化を引き起こす可能性もあります。

治療を受ける際は十分に医師と相談するのがいいでしょう。

ボトックス注射を打ち続けたりやめるとどうなる?

ボトックス注射を打ち続けても問題はないが、打つ頻度と投与する量に注意

ボトックス注射を打ち続けていることによる副作用は特にないとされていますので、長期間にわたり定期的にボトックス注射を打ち続けていても問題はありません。

ボトックス注射を打ち続けていると、効果が維持できる期間が長くなっていき施術するスパンが長くなるといわれてます。しかし、打ち続けていくうちに、体内でボトックス菌に対する抗体ができ、耐性がついて効果が薄まっていくということもありえます。

ボトックス注射を打つ際には、その頻度と投与する量に注意が必要です。

ボトックス注射をやめると元の状態に戻るだけで、状態が悪化するわけではない

ボトックス注射は一時的に表情筋による表情シワを目立たなくする治療法なので、若返り効果はありません。定期的な注射をやめると、抑制されていた筋肉が動くようになります。しかし、ボトックス注射をやめたからと言って急に老け顔になることはありません。ボトックス注射をやめると抑制されていた筋肉の動きが戻ってくるので、目尻などに再びシワが戻ってきます。しかし、そのシワはボトックス注射を打つ前から発生していたものなので、やめることで悪化するという訳ではなく、「元の状態に戻った」ということになります。

肌の専門家がボトックス注射についてわかりやすく説明します

【ボトックス】ボトックスの正体は〇〇毒!?【医師の解説】

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