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【2023年医師監修】レチノールの効果とは?安易に使ってはいけない理由を解説

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欧米では40年以上前からニキビ治療薬として認可され、スキンケアの成分として用いられてきた歴史も長く、美肌に欠かせないとされている「レチノール」。

2017年に厚労省がレチノールを医薬部外品成分として“シワ改善の効果がある”と認め、より認知度の高い美容成分となりました。

シワや肌のハリ改善、くすみ対策など、年齢とともに気になる肌の悩みをケアしてくれるとあって、化粧水や乳液、クリームタイプのレチノール入り化粧品が販売されており、お値段もプチプラから高価なものまで様々です。

北條医師

この先生が監修しました

北條 元治 先生

株式会社セルバンク代表取締役。東海大学医学部非常勤講師。
信州大学附属病院勤務を経てペンシルベニア大学医学部で培養皮膚を研究。帰国後、東海大学にて同研究と熱傷治療に従事。
2004年、細胞保管や再生医療技術支援を行う株式会社セルバンクを設立。2005年、RDクリニック開設に際し、培養皮膚の特許を供与。
著書に『ビックリするほどiPS細胞がわかる本』・『美肌のために必要なこと』他多数。

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Contents
  1. レチノールとは、ビタミンAの一種のこと
  2. レチノールの効果は抗酸化作用やシワの改善?
  3. レチノール配合の化粧品は効果がある?
  4. レチノールのリスク・副作用は主に肌の乾燥や赤み
  5. レチノールに関する肌の専門医の見解

レチノールとは、ビタミンAの一種のこと

レチノール(Retinol)とは、ビタミンAの一種のことです。

「レチノール」と言っても種類は様々です。レチノールには約2,000種を越える誘導体があり、その誘導体の総称を“レチノイド(retinoid)”と言います。

誘導体とは?※1)
母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のこと

日本で認可されているレチノイドは次の3つがあります。

  1. レチノール
  2. 酢酸レチノール
  3. パルミチン酸レチノール

このうち、厚労省が医薬部外品として認可したのは「レチノール」です。

また、この3つのレチノイドはレチニルエステル※2)でもあります。

レチノールの成分は体内の活性酸素の働きを抑える抗酸化ビタミン

レチノールの成分はビタミンA(ビタミン誘導体)です。

ビタミンAは、脂溶性(油に溶けやすい性質)の抗酸化ビタミンです。主に、皮膚や粘膜を健全な状態に保ち、抵抗力を強めたりする働きがあります。

抗酸化ビタミンの効果を一言で言うと…
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化ビタミンは、動脈硬化を起こしやすくする過酸化脂質を作り出したり、がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こす、体内の「活性酸素」の働きを抑えます。

ビタミンAはヒトの体内では合成されず、豚レバーやウナギ、バター、などの動物性食品に多く含まれます。体の中に入ったビタミンAは、脂肪とともに小腸から吸収されると、ほとんどは肝臓に蓄えられ、そのほかは血液によって心臓や肺、腎臓などの各組織に運ばれていきます。

ビタミンAは体のなかでは3つの活性型「レチノール・レチナール・トレチノイン(レチノイン酸)」として存在しています。

ビタミンAの前駆体(プロビタミンA)

ニンジンなどの緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンを摂取すると、ビタミンAの前駆体(プロビタミンA)として体内に貯蓄されます。

体のなかでビタミンAが不足すると、プロビタミンAから必要な分だけビタミンAが作られます。

プロビタミンAとされているものはαカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチンなどで、これらはカロテノイドと呼ばれ、赤や黄などの色素成分です。

カロテノイド

カロテノイドは、植物が紫外線による活性酸素から自らの身を守るために生成している抗酸化物質であり、活性酸素の発生を抑え、取り除く作用を持っており、活性酸素の働きで作られる過酸化脂質が引き起こす動脈硬化を予防したり、老化やがんの発生に対しても効果があると考えられています。

このようなカロテノイドの紫外線によるダメージへの有効性は、ヒトの体内においても有効に働くという臨床報告も多数あります。

レチノールとトレチノイン(レチノイン酸)の違い|トレチノインはレチノールが変化してできる物質

トレチノイン(レチノイン酸)とは、レチノール(ビタミンA)が体内で酸化することで変化した物質です。生理活性(生体の機能や形態を変化させる効果)は、レチノールの約50~100倍と言われており、レチノールは最終的にトレチノインに変換することで効果を発揮すると言われています。

レチノールはヒトを含む動物体内では合成されず、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンが体内に取り込まれ、酵素により分解されることで生じます。肝臓などで貯蔵され、血中のレチノール結合タンパク質と結合して放出され、特定の細胞に輸送されていきます。その後、必要に応じて、細胞内でさらにレチナールやトレチノイン(レチノイン酸)等に代謝され、視覚、聴覚、生殖などの機能保持、皮膚や粘膜などの上皮の維持などの生理作用を発揮します。

トレチノインは、誰でも血液中にごく微量流れているもので、抗原抗体反応を起こしたり、アレルギー反応を起こすことはありません。

レチノールの効果は抗酸化作用やシワの改善?

レチノールはビタミンA(誘導体)なので、ビタミンAの効能を持っているといえるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

  • 抗酸化作用
  • シミの改善
  • ニキビ予防
  • シワ改善

レチノールでニキビ・毛穴詰まりの改善ができる?

レチノールには、炎症のある部分の症状を抑えたり、腫瘍を抑制する効果があります。そのため、初期から重症のニキビまで幅広く使うことが出来ます。しかし、炎症を惹起する場合もありますので注意が必要です。

レチノールでシミの改善

シミの原因はメラニン色素の蓄積です。本来排出されるはずだったメラニン色素が肌に残るとシミの原因となってしまいます。肌にレチノールを塗ることで、表皮の細胞分裂が活性化し、肌のターンオーバーを促すことで、シミの改善にも効果が期待できると言われています。しかし、色素が真皮部分に落ち込んで恒久的になってしまったシミ…いわゆる老人性色素斑や、先天的なアザなどには無効になります。

レチノールの抗酸化作用によるシワ改善効果にエビデンスはない

ビタミンAは、ビタミンC、ビタミンEとともに「ビタミンACE(エース)」と呼ばれ、活性酸素の働きを抑える作用を持つ抗酸化ビタミンです。

私たちの身体は、酸素を利用してエネルギーを作り出すと同時に、活性酸素も常に体内で発生しています。活性酸素は細胞を傷つけ、老化、がん、シワ、しみ、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病の原因となります。

人間の身体は本来、酵素によって活性酸素を抑える働きが備わっていますが、年齢を重ねるとともに体内で作られる酵素の量は減少してしまいます。抗酸化ビタミンは、酵素によって処理しきれない活性酸素の働きを抑える抗酸化物質のひとつとして注目されています。しかしながら、レチノールの体内からの作用、すなわち、レチノールの抗酸化作用による直接的なシワ改善のエビデンスは残念ながら示されていません

レチノールのシワ改善の機序

レチノールを外用(お肌に塗布)することのシワ改善の機序はこうです。レチノールは表皮細胞(角化細胞)に働きかけその分裂速度を速めることが知られています。結果として表皮細胞(角化細胞)の数が増えることにより、表皮を厚くするという効果があります。

シワができるのは加齢による人体の変化ですが、そのシワという変化をレチノールが持つ「表皮を厚くする」という働きで新たに人体へ変化を起こさせ、シワを目立たなくさせる。この効果を狙ってレチノールが使用されています。

レチノール配合の化粧品は効果がある?

レチノールは、化粧品としては100gあたり25万国際単位(重量換算で約0.04%)までの使用が認められています。

アメリカでシワの改善薬として使用されているトレチノインと比べると、レチノール自体の薬理作用は約100分の1しかありません。

各メーカーによって、配合されている成分が異なりますが、化粧品に配合されているレチノールの分量では、赤くなったり、皮がむけたり、と言ったレチノール反応は出ず、その分効果もトレチノインの数百分の1程度に過ぎず、その効果を実感することはなかなか難しいでしょう。

したがって、レチノール本来の薬理効果を期待するなら、化粧品ではなく医師の監督下での医薬品としてのレチノールが必須です。

ですので、化粧品におけるレチノールの効果においては実際に臨床効果はなく、トレチノインのような角化細胞の増殖や肌細胞の活性化による小ジワ改善効果を期待するというよりは、保湿クリームとしての位置付けです。

レチノール誘導体成分配合の化粧品は、夜の使用はおすすめしない

レチノール配合の化粧品は多く出回っており、例えば、「レチノール誘導体」の成分で夜用の美容液として配合されていることもあります。レチノール、つまりビタミンAは細胞膜を保護する役割があり、乾燥肌やシミへの効果も期待されているので、日中ダメージを受けた表皮や真皮の細胞は、レチノールで保護され正常な肌へ導かれると考えられています。

レチノール配合の美容液に限らず、洗顔後のスキンケアをする上で知っていただきたいことがあります。まず、洗顔後のスキンケアの化粧品は保湿しか役に立ちません。肌の構造上、肌の奥まで栄養分を浸透させることは不可能です。

夜のスキンケアで大切なことは、保湿で肌の表面の水分を正常な状態に戻すことです。そのためには、特別高価な美容液は必ずしも必要ではありません。

多くの女性は日中化粧をしています。8時間以上化粧品による刺激を受け続けています。夜になって化粧を落とすと、肌が化粧品の刺激から解放されます。ちょうど、お化粧から解放されて肌が「ほっと一息ついている」状況です。

肌がほっと一息ついている状態とは、肌が正常なバリア機能に回復しようとしている状態です。メイク落としや洗顔料で刺激を受けた肌の表面の角質層が、角質細胞から水分を出して細胞の間を満たし始めます。細胞の間にあるセラミドなどの脂質は、その水分をキャッチして正常な肌のバリア機能へと回復させようとしています。

そのように肌が回復状態の途中である段階にも関わらず、夜用の美容液が肌に流れ込んでくるのです。その美容液の刺激を受けて肌はまたバリア機能を回復させようと休む暇もなく働きつづけることになります

ですので、夜寝るときは肌を休めましょう。美容液や化粧品の主な役目は保湿です。レチノール誘導体を配合した美容液では、メディカルグレードではないので濃度がそもそも違います。皮膚科医が用いるレチノールと同じレベルの効果は期待できないことを考慮したほうが良いでしょう。

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レチノール配合コスメの役割

化粧品では、レチノールの不安定な性質により、レチノールを安定化させたレチノイド※3)というビタミンA誘導体(ビタミンA類似物質)が使用されています。

レチノイドのうちパルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなどのレチニルエステルと呼ばれるものは安定性が高く、肌への刺激が少ないため、多くの基礎化粧品に使われています。
しかし、パルミチン酸レチノールはその安定さゆえにトレチノインへの変換が容易ではなく、その結果、シワの減少や肌の弾力性向上に対する効果は極端に低下します。

その代わり、化粧水やクリームに配合されたパルミチン酸レチノールを毎日肌に塗ることで、表皮の角質層でのレチノールの濃度が上がり、レチノール自体の紫外線ブロック効果により肌自体を紫外線に強くさせるというのが基礎化粧品に配合されたレチノールのもう一つの役割と考えられています。

つまり、パルミチン酸レチノールに期待する主な作用は、皮膚内で加水分解を受けることによるレチノール(最終的にトレチノインにまで変換される)の作用だけではなく、パルミチン酸レチノール自体が紫外線を吸収し、自爆することで紫外線をブロックするという、二つの役割として日々のスキンケアでレチノールを肌に貯蔵しておくのです。

レチノールの性質について

レチノールは、熱や光、酸素、金属イオンに対して非常に不安定な性質を持っています。
そのため、ヒトの生体内において、レチノールは高級脂肪酸※4)であるパルミチン酸と結合し、パルミチン酸レチノールの形で貯蔵されており、

パルミチン酸レチノール → レチノール → レチナール →トレチノイン(レチノイン酸)

このように酸化による変換を経て、最終的なトレチノインへと必要に応じて変換されます。表皮でのヒアルロン酸の合成の促進やターンオーバーの促進、真皮でのコラーゲン産生の促進によるシワへの効果などは、トレチノインへと変換されてからその生理活性を発揮することが知られています。

厚労省により医薬部外品として認可されたレチノールは、アメリカでシワの改善薬として使用されているトレチノインと比べると、その作用は極めて微弱なものになります。化粧品として配合を認められている分量は、100gあたり25万国際単位(重量換算で約0.04%)までのため、レチノール配合の化粧品でのトレチノインのような効果は期待できません。

レチノールは食事からの摂取で十分

ビタミンAは動物性のレチノール、植物性のプロビタミンAとして体内に貯蔵されているため、現代の食生活においては、ビタミンAが不足することはほとんどないと言われています。一方で、ビタミンAは脂溶性ビタミンでもあるため、体に貯蔵されやすく、過剰摂取には注意が必要です。

食事から摂取すると体内で分解され、最終的にはトレチノインとなり、血液によって必要とする臓器に運ばれるため、血液中にはごく微量のトレチノインが流れています。肌では、表皮との境目である真皮乳頭層を流れる血管から表皮にたどり着いたトレチノインが角化細胞を活性化させ表皮に厚みを出したり、角化細胞間や角質にヒアルロン酸などの粘液性物質を沈着させやすくして表皮を水分で満たします。

レチノールのリスク・副作用は主に肌の乾燥や赤み

レチノールを用いての美肌効果などの作用はこれまで様々な文献で認められています※5)
ただ、レチノールが配合されている化粧品と、医師が扱う医薬品としてのレチノールは別物と考えた方が無難です。医師が扱うレチノールは、化学物質としては化粧品のそれと同じであっても、効果をもたらす実効濃度(広義の生物学的活性)が化粧品のそれとはケタ違い(百倍から時に1万倍も)です。つまり、レチノール配合の化粧品といっても実効濃度は非常に低く抑えらています。すなわち肌のトラブルのリスクが低い分、効果も薄いということです。結論から言いますとレチノールトレチノインが配合されたもので、その効果を期待するのであれば、皮膚科医の指導の元で行うのが望ましいです。

また、レチノールは即効性のある治療法ではなく、クリニックで処方される高い濃度のものであればあるほど、赤みやかゆみなどのトラブルが出やすくなるので、経験を積んだ医師の元でレチノールを使用するべきでしょう。特に敏感肌の人にはお勧めできません。皮膚が慣れれば自然に治まっていきますが、刺激を引き起こす可能性があります。

レチノール反応(レチノイド反応)に注意

医薬品としてのレチノールを医師の監督下で使用している方から、「レチノール反応」「レチノイド反応」「A反応」と言った言葉を聞きます。これは、ビタミンAが不足している肌に新たにレチノール(ビタミンA)が入ることで、肌が過剰に反応することです。

  • ・肌のかゆみ
  • ・乾燥
  • ・皮むけ
  • ・かゆみ
  • ・ヒリヒリする感覚

これらの症状が出ることを「レチノール反応」と言います。レチノール反応は、アレルギー反応などではなく、正常な肌の生理反応です。肌に十分なビタミンAが貯蔵されると、レチノール反応も治まっていきます。継続使用して3〜6週間程で収まります。

レチノールと紫外線

紫外線には波長の長いA波(UVA)と、短いB波(UVB)、最も短いC波(UVC)があります。UVCは、現時点ではオゾン層に守られているため地球には到達しません。

波長の長いA波は部屋の中にいても窓ガラスを通り抜け、肌の表皮を突き進み、真皮にまで到達します。そして真皮のコラーゲン繊維とエラスチンを破壊し、肌のハリや弾力が無くなり、たるみやシワの原因になります。

波長の短いB波は、肌の表皮の色素細胞(メラノサイト)を活性化させて多量のメラニンを生成し、日焼けをさせるものです。エネルギーが強く、表皮細胞の遺伝子に傷をつけ、シミや皮膚がんの原因になります。

このような紫外線による肌への影響により年齢を重ねて生じる自然老化とは異なる現象を光老化と言います。

レチノールはすこやかな肌のコンディションを保つために必要な成分です。
また、肌に存在するレチノールは、紫外線を浴びると紫外線の光線エネルギーを受け止め、細胞の損傷を防ぐ働きがあると考えられ、天然の日焼け止めといわれています。

つまり、紫外線を浴びるとレチノール自らが犠牲となり壊れることで紫外線をブロック、真皮深層部への侵入を防ぎ、その効果はSPF20ほどの作用を持つと言われているのです。
そのため、光老化を防ぐためには内側からと外側からの2つの方法で常にレチノールを補給することが必要だと考えられています。

内側からの補給法は、ビタミンAを豊富に含む食品を毎日の食生活でしっかり摂取すること。外側からの補給法は、毎日のスキンケアによって皮膚の外側から取り入れること(経皮吸収)です。

レチノール使用時のUVケアについて

パルミチン酸レチノールにはSPF20程度日焼け止めの効果があると言われています。

一方で、レチノールには表皮角質層のターンオーバーを促進させることで顔の皮がむけるというレチノール反応というものがあります。これによって一時的に角質層が薄くなるため、皮膚のバリア機能が低下するため、クリームなどを塗り、スキンケアでしっかりと保湿をする必要があります。化粧品に配合されるレチノールの濃度は薄いとはいえ、必ずしもレチノール反応が起こらないとも言い切れません。

レチノール配合の化粧品を使う際には、その成分がパルミチン酸レチノールであってもUVケアを疎かにせず、しっかりと日焼け止めを塗りましょう。

食事で十分にレチノールを摂取することが大前提ですが、それでも不安な場合はスキンケアでパルミチン酸レチノール等が配合されたものを使用するのもいいでしょう。その上で、日焼け止めを塗る。

UVケアは真皮のコラーゲン繊維やエラスチン等を生成する肌細胞の守るためにも必要不可欠です。

レチノール配合の化粧品を使用する際には、化粧品の容器に記載されている成分表示が、レチノールなのか、パルミチン酸レチノールなのかによってその効果と役割が変わってくるということも知っておくと、より健やかな肌を保つことができるようになるのではないでしょうか。

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レチノールの「表皮を厚くする」効果について

レチノールの持つ表皮を厚くするという作用。一般的に表皮を厚くすると聞くと、それは良い変化だと考える人が多いです。

しかし医者の視点から見れば少し違います。医者にとっては表皮が厚くなるというのはすごく嫌な印象を持つのです。
それはなぜか。基本的に表皮が厚くなることは生体にとっては悪い変化であり、錯角化や過角化、乾癬のような異常角化を連想します。

「表皮に異常が出ると表皮が厚くなり、病的な状態になる」これが表皮が厚くなることに対して、医者が良くない印象を持つ理由です。

肌再生の専門家が安易に『レチノール』を使ってはいけない理由を解説します

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しかしシワを目立たなくさせる効果を狙えることは事実です。論文や様々な文献でその働きや効果が認められています。

望ましくない変化をもたらすリスクはもちろんありますが、豊富な知識と経験のある医師の下であれば、レチノールの働きによる変化とその先を予測することが出来ます。

このような反応が出たら中止、または濃度を下げなければいけない。この反応ならもっと濃度を上げて大丈夫、などといった適切な判断ができる医師の下、レチノールの働きをコントロールしながら治療を受けていただくのであれば問題ないでしょう。

ではコントロールできないものは何か。それは適切な判断ができない状況下、つまり専門家の管理の元で行っていない状況ということです。

もちろん化粧品と医師の使用する日薬品ではそもそもレチノールの濃度が異なります。そのため、基本的に化粧品として市販されているレチノール入り化粧品であれば、よほど無茶な使用をしなければ安全性が担保されています。

しかし今のインターネット社会では個人輸入などで非常に実効濃度の高い医師しか使う事の出来ないレチノールを手に入れられる場合があります。それを入手できたとして、個人の判断で使用をすることは非常に危険の伴う行為です。その様な状況下での使用は予期しない変化を伴う可能性が大いにあるため、実行しないほうが良いでしょう。

続・続・肌再生の専門家が、安易に『レチノール』を使ってはいけない理由を解説します

人体に変化をもたらすというのは飽くまでも変化です。その変化が良いものか、悪いものかはその変化の時点では決めることはできません。

シワを消す、またはターンオーバーを早めてシミを早く外に出すといった効果ばかりが強調されがちですが、レチノールによる変化のデメリットも良く知っていてほしいと思います。
何事も裏表があるものです。これらをよく理解した上で、レチノールによって美肌やシワ取りをしたいということであれば何も問題ありません。信頼できる医師の監督の下で治療を受けてください。

参考

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