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【医師監修】白湯の美肌効果とおススメの作り方
体に良い効果があると言われていることから、健康や美容への意識が高い女性たちから注目されている「白湯(さゆ)」。
沸かしたお湯をゆっくり飲むだけでOKという手軽さもあり、あっという間に広がりました。でも、気が付いたら白湯を飲み忘れ、いつも通りのコーヒーや紅茶を飲む生活に戻ってしまっていませんか?
ブームで終わらせるのはもったいなさすぎる、健康や美容、ダイエット効果も期待できる「白湯」の正しい作り方と飲み方、さらに白湯を飲むのに最適なタイミングについてまとめてみました。
白湯の起源はアーユルヴェーダ
古代インド発祥の健康医学“アーユルヴェーダ”には“古代の長寿の知恵”がたくさん詰まっているので現代でも参考になる部分があります。
アーユルヴェーダでは健康の維持増進、病気の治療の際には、その人のアグニと呼ばれる食べたり飲んだりしたものを消化・代謝する力(消化力)を見ます。
人間は飲食にて生命を維持しています。
食べたものがちゃんと消化され身体を構成する要素に変換され、さらに老廃物がしっかりと排出されることが健康のポイントになるのです。
白湯を飲むことは、このアグニの手助けになるとされています。
白湯は最強のデトックスウォーター
白湯は、水を沸騰させ細菌や沸点以下の不純物が取り除かれた言わば、“生水ではなくなった加熱、殺菌水”です。
アーユルヴェーダには、風(ヴァータ)・火(ピッタ)・水(カパ)という3つのエネルギーがあるとされていて、すべてのものがこの3つのエネルギーで成り立っているという考え方があります。
白湯は「水(カパ)」を「火(ピッタ)」で沸かして作ります。
水(カパ)である湯の中に火(ピッタ)と気泡が生まれ、風(ヴァータ)のエネルギーが加わった白湯には、この3つの要素が揃うのだそうです。
そのため、白湯を飲むことで体内のバランスも整えられると考えられています。
つまり、古代のアーユルヴェーダによれば白湯はバランスが整った最強のドリンクというわけなのです。
特に、「火」の要素は消化(アグニ)を助けるため、消化力促進、消化不良を解消、お腹の張りを和らげ、便秘や下痢を改善するとされています。
「火」の要素は身体を温め循環を促し、冷え性や肩こりを改善するとされています。
また、利尿作用もあるとされ、むくみや全身の重さを改善し、新陳代謝を促進するためダイエット効果も期待できると言われています。
白湯を飲むことで期待される効果
では、実際に現代から見た白湯を呑むことで期待される効果を検証していきましょう。
基礎代謝が上がる?
白湯を飲み体を温めることにより、食道や胃、腸などの内臓が温まり、活性化して消化力が高まるとされていますが、確かに冷たい水(氷水)などを飲むより暖かい白湯を飲む方が食道や胃、腸などの内臓が温まり負担が少ないのは事実です。ただし内臓が活性化するかどうかはわかりません。
食道や胃、腸などの内臓が温まり負担が少なくなると、食べたものがちゃんと消化されやすく栄養素として体の中で使われる(エネルギーになる)ようになるため、健康的な体になるでしょう。
冷たい物ばかりを好んで食べると胃腸が冷え消化力が弱まってしまうのは事実でしょう。
すると胃腸に老廃物が溜まり、便秘や肌荒れなどの原因につながる可能性があります。
白湯を飲んで体が温まると全身を巡る血の流れが良くなるので基礎代謝が上がるのは事実です。ただし、脂肪燃焼の効果で痩せやすくなるというのは少し言い過ぎのような気がします。同じように白湯で基礎体温も上がることで免疫力が高まるというのも言い過ぎです。
デトックス効果
白湯を飲むと体の内側が温められます。内臓、特に消化管が温められることで内臓の働きが活発になり、利尿作用や腸の蠕動運動が促され、便秘などの解消が期待できるかもしれません。
食事などで体内に取り込んだものは、体内で代謝されて体外に排泄されます。
代謝によってできた老廃物や毒素などは、75%が便として、25%は尿として体外に排出されます。白湯により体が温まると血流やリンパの流れが良くなり、体に溜まっている老廃物や余分な水分が排泄されやすくなるかもしれません。
白湯は消化力を高め体内に残っている未消化物(アーマ)を溶かして流してくれます。そして代謝をあげて燃やしやすい身体を作ってくれると、古代のアーユルヴェーダは説いています。
また、現代医学でも、必要量の水分摂取が無いと、汗や尿、便などの老廃物を排出するのに支障をきたすとされているため、冷たい生水ではなく、加熱された白湯を飲み、積極的に水分を摂取することも体にとって良いことと考えられます。
内臓の機能回復
内臓、特に消化管(消化器:口、食道から直腸、肛門まで)は冷えると機能が低下します。
そのため、夏の気温が暑い時期に冷たい飲み物ばかりを飲んでいると、消化器の入り口である胃腸の調子が悪くなってしまうことがあります。
また、温かいから大丈夫だと思いホットコーヒーや紅茶、緑茶ばかりを飲むと、それらに含まれるカフェインには利尿作用があるので、せっかく接種した水分が尿として排泄されてしまうため、水分摂取の手段としてあまり好ましくありません。
白湯は体に負担がかからず、内臓の機能を回復してくれるので、消化不良や胃もたれを防ぐことにも繋がるでしょう。
冷え症が改善
体の不調や太りやすさには「冷え」が関係しています。
体温は、体の表面の“皮膚温”と、体の中心部の“深部体温”があり、冷え性を改善させるためには、深部体温を上げる必要があります。そのためには、体温の約4割を生み出す筋肉をつけ、その上で、血流を促し、その熱を体中に行き渡らせることが大切になります。
体温が下がると免疫力が下がり、代謝は、体温が1℃下がると12%も低下します。体の末端まで温めるには、まずは内側から体を温めて血液を末端までよく流す必要があります。
白湯を飲む習慣をつけることで、内臓が温まり冷え性が緩和されるかもしれません。
美肌効果
古代アーユルヴェーダでは、消化不良が肌トラブルを引き起こすと考えられていました。
白湯は腸の毒素の浄化・排出を促してくれるため、腸内環境が改善され肌トラブルの軽減が期待できると、古代アーユルヴェーダでは説いています。
消化不良によりビタミン、ミネラル、アミノ酸など、健康な肌を保つために欠かせない栄養素が不足すると、細胞への栄養が十分に行き渡りません。また、冷えによる血行不良では、肌全体に必要な栄養素を送り込むことができません。
白湯を飲むことで消化不良・血行不良が改善されターンオーバーを正常化し、キメの整ったキレイな肌を目指すことができるかもしれません。
白湯の作り方
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やかん(または鍋)に水を入れ、強火にかける。
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沸騰しはじめたら蓋をとり、大きな泡が立つくらいの火加減(吹きこぼれないように)にして約10~15分沸かし続ける。
水道水は塩素消毒がされています。また、上水道の水道管の状況から、発がん性が指摘されているトリハロメタンの発生が起こり得ます。沸騰の際には、トリハロメタンが発生し、沸騰直後が最大になります。水道水を沸かして白湯を作る際には、沸騰後、弱火で15分程度沸騰を続け、トリハロメタンを揮発させてから、白湯にした方がいいでしょう。
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火を止めてマグカップに出来上がった白湯を入れ、50℃~65℃になるまで自然に冷ます。このとき、早く冷ましたいからといってお水を足したりするのはNGです。(フーフーと冷まさなくとも飲めるくらいの温度が目安です。)
- *飲む時の白湯の温度は、季節や体調で調節しましょう。
- *残った白湯は保温ポットに入れて、好きな時に飲んでください。一度沸かした白湯の沸かし直しはNGと言われています。
白湯の飲み方と飲むタイミング
10分以上沸かしたお湯を50~60度程度に自然と冷ましたものが「白湯」です。
温かいものが体にいいからといって、熱すぎるものもダメですし、逆に冷まし過ぎてぬる過ぎても効果が得にくいと言われています。
熱すぎず、ぬる過ぎず、人肌より温かく飲めるくらいのものを用意するようにしましょう。
1日に飲む量は1000ml~1500ml(体重の2倍から3倍)
1度に飲む量はコップ一杯(150ml~200ml)が適量です。
一口ずつ10分~20分くらいかけてゆっくりと飲むのが理想的な飲み方です。
また、朝つくった白湯を保温ポットに入れて水分補給として日中に飲むのがよいでしょう。
少しずつ時間をかけてゆっくり飲む
白湯を一気に飲むと、胃液である胃酸が薄まり、食べ物の消化吸収が阻害されてしまう恐れがあります。
白湯は胃や腸の汚れを押し流してくれる効果が高く、たくさん飲み過ぎてしまうと、本来必要だった栄養素まで流してしまうことにもなりかねません。
できればゆっくりと、時間をかけて飲みましょう。
おすすめは「朝」目覚めに飲む
白湯を飲むのに最もおすすめなタイミングは朝、目覚めた後です。
寝ている時にも私たちの体からは水分がどんどん出ていっており、起床後は水分が減っている状態です。また、寝ている間に、私たちの体は基礎体温を下げています。
朝起きたら、歯磨き後にまずは一杯。寝ているうちに溜まった毒を洗い流し、消化を促してくれます。
これから始まる1日の活動に向けて基礎体温を上げる意味でも、起床後15分以内、朝食の30分以上前に飲むのが理想です。
のどの渇きを感じた時
白湯に限らず、のどの渇きを感じた時に水分を摂取するのが基本です。
自分にとっての適量は体調や気候によって日々変化します。自分の感覚に注目し、身体が出すサインを見逃さないようにしましょう。
一気にごくごく飲むと、水分が大腸から吸収されて、身体の水分量が足りていると脳が感じた時には、既に、大腸をはじめ小腸や胃などに大量に水が入ってしまっており、結果として身体が求めている以上の水分を摂ってしまうことになります。
のどの渇きを感じるのと同じく、のどの渇きがおさまった感覚にも注目してみましょう。
食事の30分前と食事中
消化機能の向上に繋がるので、食前・食事中の飲み物として白湯を飲むのも効果的です。
食事の消化吸収を促進するという意味から、食事を摂る30分前に白湯を飲むことで、食べた物の栄養素をスムーズに吸収してくれます。
また、内臓が温まると脳の満腹中枢も刺激されるため、食べすぎを防いでくれる効果も期待できます。
食事中の白湯も、胃腸の消化機能を促し、食べた物の栄養素を吸収しやすくしてくれます。
ただし、飲み過ぎは逆に消化不良を起こす可能性もあるため、少量を少しずつ摂ることをおすすめします。
アルコールを摂取した時
アルコールを摂取した時も、アルコールの利尿作用で体内の水分が不足しがちになるので水分摂取として白湯を飲むのも良いでしょう。
就寝前
寝る前に白湯を飲むことで、心も体もリラックスできます。温かい飲み物を飲むと体が温まり自然な睡眠の誘導に繋がります。
就寝30分以上前に飲みましょう。
寝る前にあまりたくさん飲んでしまうと夜中にトイレへ行きたくなる可能性が高くなるため、多くてもコップ1杯程度にとどめておくと良いでしょう。
食後の白湯
実は、食後30分間は白湯を飲むのにはあまり適していないと言われています。
食後30分は食事で摂取したものを胃や腸が消化吸収しているタイミング。
ここで白湯を飲むことで逆に栄養の吸収を阻害してしまう要因にもなります。
なかなか食べ物が消化できないと、胃が多くのエネルギーを消費し、体の疲れに繋がってしまうことがあるのです。
食後の白湯は少なくとも30分~1時間程度は避けた方が無難でしょう。
白湯を継続して美味しく飲むためのアレンジ
ただ水を温めたシンプルなものだからこそ、習慣化したい白湯。
体に良いとわかっていても、毎日味のない白湯を飲むのは飽きてしまうという方に、白湯を美味しく飲むためのアレンジ法をご紹介します。
- レモン白湯
- レモンを絞って数滴入れてもいいですし、市販のレモン汁を小さじ半分~1杯程度入れます。美肌効果のビタミンCや疲労回復効果のクエン酸も一緒に摂取できます。
- 生姜白湯
- 白湯を作る時にスライスした生姜を2~3枚やかんや鍋に一緒に入れて沸かしてみましょう。もしくは、生姜パウダーを大さじ1杯程度、生姜のチューブなら小さじ1杯程度を1杯の白湯に入れてみましょう。生姜の体を温める効果でさらに体の芯から温まることができます。
- はちみつ
- はちみつにはむくみ予防の効果もあります。1杯の白湯に対して、ティースプーン1杯程度のはちみつを加え、よく混ぜて飲みましょう。レモンや生姜を合わせて飲んでみるものいいかもしれません。
水を沸かしただけの白湯は、家庭にあるもので自分好みにアレンジができ、簡単に健康を維持できる効果があります。
気になった方はぜひ「白湯生活」を始めてみることをおすすめします。
「肌の再生医療」とは…?
肌の再生医療は、ご自身の皮膚から細胞を抽出し培養して増えた細胞を、肌の老化の気になる部分に移植することで「若返り効果」「抗老化」が期待できる治療です。
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