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頭皮ケア(スカルプケア)について肌の専門医が徹底解説

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頭皮のケアはなぜ必要なのか

頭皮とは読んで字のごとく、頭の皮膚。頬や額などの顔の皮膚と地続きの皮膚です。確かに毛は生えていますが、顔の皮膚に産毛やまつ毛が生えているのと同じなのです。

頭皮だけ特別なケアが必要だと考える人もいらっしゃいますが、そんなことはありません。

肌のケアにおいて、洗顔の仕方や紫外線予防がとても大切ですが、同じ皮膚である頭皮にも同じことが言えます。
洗顔は頭皮においてはシャンプーに当たりますが、肌と同じく、過度に洗いすぎず、過度に皮脂を取りすぎないということが非常に重要です。

頭皮ケアの効果

頭皮のにおいやフケ、かゆみの改善

頭皮の臭いの原因は、過剰に分泌された皮脂やフケを素に雑菌が繁殖し、悪臭の原因となっているかもしれません。

また、頭皮の臭いの原因となるフケや頭皮の痒みなどの症状が出ると、汚れが原因だと思われがちですが、実はそうではありません。それらの症状は頭皮のバリア機能が衰えている証拠なのです。

怪我と同じです。怪我した場合もその場所を保護し安静に保つように、頭皮に負担がかかっている時は安静に保つことが重要です。

例えばシャンプーに含まれる洗浄成分は刺激になる可能性があります。
過剰な洗浄はせず、湯シャンなどで刺激を減らし、頭皮をそっと保つことで、必要な油分なども戻り、フケや痒みの改善を期待でき、臭いの解決にも繋がります。

関連記事

頭皮・毛髪のべたつきの改善

シャンプーでしっかり洗っているにもかかわらず、頭皮や毛髪がべたつく。それは洗えていないからではなく、洗い過ぎているサインかもしれません。

皮脂によるべたつきが気になり、より高い洗浄力を持つシャンプーを使いたくなりがちですが、それは頭皮の乾燥を加速させます。乾燥を抑えるために皮脂を過剰に分泌させる行為となり、頭皮の環境を悪化させる可能性となってしまうのです。

抜け毛の減少

頭皮も皮膚の一部のため、皮膚を健やかに保てば抜け毛などが減ることは事実です。そのため抜け毛に悩んでいる方にとって、頭皮ケアは充分すると良いでしょう。

頭皮ケアは顔のリフトアップに効果はある?

頭皮をケアすることで顔のシワがなくなり、リフトアップにつながると思われる方は多くいると思います。
しかし、頭皮の衰えにより顔も衰えてくるから頭皮のケアをする、というのは少し理論が飛躍していて、何とも言えないところです。

頭皮をマッサージし、コリをほぐすことで血流が良くなったり、過度な緊張がほぐれることで、お顔の印象に少し変化があるかもしれません。

頭皮ケアでやってはいけないこと

頭皮はお肌と地続きの皮膚です。お肌に良くないことは頭皮にもよくありません。次にご紹介するのは、代表的な3つの頭皮に良くない習慣です。

紫外線対策をしない

紫外線がシミやシワなど、お肌にダメージを与え老化を加速させる原因ですが、それは頭皮や毛髪にも言えることです。帽子や日傘で紫外線から守りましょう。スプレータイプの日焼け止めなども効果的です。

洗浄力の強いシャンプーの使用

必要以上に頭皮の角質を剥ぎ落としたり、頭皮の油膜を落とす原因となり、フケやかゆみを引き起こす可能性があります。

髪を乾かさない

生乾きの洗濯物が悪臭を放つように、濡れた状態は雑菌を繁殖させ嫌な臭いの原因になります。タオルドライやドライヤーで手早く乾かすと良いでしょう。

しかし、過度なドライヤーは頭皮の乾燥や毛髪のキューティクルへのダメージとなるため気をつけましょう。

頭皮ケアについての肌の専門医の見解

肌の専門医が実践するシャンプーの方法

湯シャンについて

シャンプーを使わない「湯シャン」は、その名の通りお湯のみで汚れを洗い流す洗髪方法です。シャンプーの洗浄成分は強い刺激となり易いため、特に次のような方に向いている洗髪方法と言えます。

  • 肌の弱い方
  • アトピーなどのアレルギー体質の方
  • 頭皮に炎症など何らかの症状が出ている方

しかし、湯シャンだけで清涼感を得るのは難しいと感じる人もいらっしゃるでしょう。なんとなく気持ち悪いと感じるかもしれません。

そのような場合はシャンプーを使用すると良いですが、必要最小限の量が良いでしょう。あくまで目安ですが、ポンプ式のシャンプーであれば4分の1プッシュほどの少量のシャンプーを使用すると良いと思います。少ないですから、そのまま1か所につけてしまうとシャンプーが全体に行き渡らないです。そういう場合は手に取ったシャンプーを水でいっぱいに伸ばして使用したり、全体にむらなく点在させるなどして、隅々まで行き渡るように工夫し、薄いシャンプーで洗ってみてください。

また、シャンプーは2日に1回ほどを目安とすると良いかもしれません。シャンプーの量は少ないですが、やり過ぎるとシャンプーの洗浄力で皮脂や油膜を落としすぎてしまいます。

リンスは使用しなくても良いかもしれません。これはシリコンを避けているわけではありません。通常、シャンプーで洗った後は少しキシキシとした感じが残ると思います。しかし先述したような洗い方だと過剰な洗浄にはならず、キシキシするほど洗い過ぎることがないため、充分な潤いが得られると思います。もちろん湯シャンで頭皮の汚れは落ちますが、必要な油分が残った状態を保つことができますので、リンスを使わなくても良いでしょう。

しかしながら、一生湯シャンかと問われれば、そうではないと思います。
頭皮の状態や毛髪の汚れ具合など、必要に応じてシャンプーの使用有無を選択すると良いでしょう。

強くこするようなシャンプーの仕方はNG

汚れを落とすためにシャンプーでガシガシと強く洗う人がいますが、これは良い方法とは言えません。強くこするような洗い方は、頭皮の角質や油膜を過剰に落とすことに繋がります。

過度な洗浄は頭皮の健康を損ねるのでやめたほうが良いでしょう。

【頭皮ケア】それ勘違いかも?オススメの頭皮ケア教えます!【医師の解説】

肌の再生医療で発毛はできる?

再生医療で薄毛(脱毛症)は治りますか?
結論を先に述べるなら、現在の再生医療技術では難しいでしょう。

加齢などの様々な理由により、頭部の薄毛に悩まれる方は数多くいらっしゃると思います。
多くの場合、その様な状態を「薄毛」と言われるかと思います。これは脱毛症と呼ばれるもので、体のあらゆる部分に生じるものですが、頭部に起こる脱毛は「禿頭(とくとう)※1)」または「禿髪(とくはつ)※2)と言います。

男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)※3)」や「女性型脱毛症(FPHL:Female Pattern Hair Loss)※4)」は禿頭の病名として近年よく耳にするようになりました。

以前、無料モニターで10~20人ほど頭皮の細胞を培養し頭部の毛が薄いところへ注入。経過を追ってみましたが、治療レベルでの結果は得られませんでした。

実際に効果が出て良くなる方もいらっしゃいましたが、変わらず十分効果が出ない方も多かったため、まだ治療としては不確実であり、治療として皆さんへご紹介できる段階ではありません。

【肌の悩み答えます】頭皮の皮膚片を取って頭皮に注射すると発毛効果ありますか?

ではどこにハードルがあるのでしょう。

体には毛髪という名称で、様々な毛が生えています。毛髪、眉毛、まつ毛、鼻毛、産毛などと区別できますが、これらがどのようにして一定の長さで成長を止め脱落するのか、それぞれに太さが異なるのか、まだわかっていません。

また再生医療は細胞をターゲットとしていますが、小指という細胞がないように、毛髪という細胞はなく、少なくとも「毛包、汗腺、立毛筋、メラノサイト」の4つの細胞を再現しなくては毛髪の再現をすることは出来ないのです。

分からないものを正しく再現できるかと言えば出来ないように、まだ毛髪は再生医療として確立ができていないのが現状です。

しかし、毛髪に関しても研究は今も続いています。私たちがその治療を受けられるかはわかりませんが、将来、薄毛にも救いの光が射しているかもしれません。

【Q&A】再生医療で、薄毛を直したいんですけどできますか?

肌の再生医療は、ご自身の皮膚から細胞を抽出し培養して増えた細胞を、肌の老化の気になる部分に移植することで「若返り効果」「抗老化」が期待できる治療です。

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