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【医師監修】肌状態をリセット?肌のデトックスとは?

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全国の30歳~49歳の女性を対象に、コロナ禍でのマスク生活の中でのスキンケア・肌の悩みに関する意識調査を行った結果、マスクの常用化が続いたことに伴い、肌トラブルが深刻化し、肌状態をリセットしたいと感じている人が9割を占めるという結果に。生活そのものや体の中から不要なものを取り除く「デトックス」に注目が集まりつつあります。デトックスしたいものベスト3では、1位「体内の老廃物」、2位「ストレス」、3位「肌の老廃物」で、マスクを外して今までのような生活ができる日に向けて、肌状態をリセットしようと「クレンジング」を最重要視している女性が半数を上回るという結果になりました。(2021年、キューサイ株式会社調べ)

実際に「肌をデトックス」する方法はあるのでしょうか。

北條医師

この先生が監修しました

北條 元治 先生

株式会社セルバンク代表取締役。東海大学医学部客員教授。
信州大学附属病院勤務を経てペンシルベニア大学医学部で培養皮膚を研究。帰国後、東海大学にて同研究と熱傷治療に従事。
2004年、細胞保管や再生医療技術支援を行う株式会社セルバンクを設立。2005年、RDクリニック開設に際し、培養皮膚の特許を供与。
著書に『ビックリするほどiPS細胞がわかる本』・『美肌のために必要なこと』他多数。

北條元治のYouTubeチャンネルはこちら

Contents
  1. デトックスとは
  2. 酸化ストレスという考えは正しいか?
  3. デトックスの方法は正しいか?

デトックスとは

デトックスは英語の「detoxification」の略で、英語で解毒を意味し、『身体の中にたまった老廃物や毒素を排出すること』をいいます。
西洋医学の考えでは、特定された毒素(例えば過剰摂取された薬物や暴露した農薬など)を主に腎臓から排泄させる技術を言います。しかし、系統的でない代替医療(民間医療:伝承医療)では、身体の中に溜まっている様々な毒素は、2種類に分けるという考えがあるようです。
そのうちの一つは、「水・空気・食べ物」など、外部から体内に取り入れて溜まってしまう毒素。もう一つは、体の中で作られる「活性酸素」(なぜか現代医療用語が登場します)などを毒素ととらえる考えです。

今回は、エビデンスのない代替医療(民間医療:伝承医療)で語られるデトックスについて考えていきます。

体内に溜まる毒素

環境ホルモンを始めとした「有害化学物質」、銀、鉛、カドミウム、ヒ素といった「有害ミネラル」などの毒素が、実は知らず知らずのうちに体内に溜まっています。これは現代科学でも確認できます。「有害化学物質」とは、健康や環境に悪い影響を与える物質のことです。例えば、水俣病は有機水銀が、イタイイタイ病はカドミウムといった重金属が体内で蓄積されたことによって発病しました。

一方、エビデンスの無い(民間医療:伝承医療)では定義名曖昧な「老廃物」というものを定義します。すなわち老廃物とは、必要な栄養素が体内で吸収・利用されたあと最後に残る不要物のことだそうです。

酸化ストレスという考えは正しいか?

呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部は活性酸素になります。活性酸素は、体内の代謝過程において様々な成分と反応し、過剰になるとDNAやタンパク質を傷つけ細胞傷害をもたらします・・・・ここまでは現代科学(医学)で確認されています。

しかし、活性酸素の産生が抗酸化防御力を上回った状態(酸化ストレス)が長く続くと、酸化ストレスよって細胞が傷つけられてしまうという飛躍した考え(エビデンスの無い考え)を唱える医学者がいるのも事実です。
そしてその飛躍した考えの行く末として、食事(酸化した食べ物、食品添加物、残留農薬等)、合成化学物質(シャンプー、ボディーソープ、洗濯洗剤、化粧品等)、電磁波、ストレス、大気汚染、排気ガス等が酸化ストレスが高くし、体がサビ(酸化)ついて老化が進み、様々な病気や体の不調、肌の老化を引き起こすという考えを提唱するに至ります。これが酸化ストレスの考えです。

デトックスの方法は正しいか?

巷には、「デトックスウォーター」「サウナ」「ファスティング(断食)」「足裏デトックス」など、様々な「デトックス」方法の情報が溢れています。
デトックスとは、体内の毒素を排出することで、それらを排出する経路としは、尿、便、汗、皮脂、垢、爪、髪、唾液、呼気など唱える人がいますが、現在医療の考えで行くと体内の毒素を排出する経路の大部分は腎臓です。

「毒を出す力」

私たちの体には、もともと「毒を出す力」が備わっています。
肝腎要(かんじんかなめ)という言葉をご存知ですか?「肝臓と腎臓は人体の要(かなめ)であり、最も重要な臓腑である」ということわざで、「肝臓」「腎臓」がとても大切な臓器であることに由来すると言われています。

肝臓

肝臓はヒトの体で最も大きい臓器で、体重の約50分の1を占めています。肝臓の主な働きは3つあります。

  • 体に必要なタンパクの合成・栄養の貯蔵(代謝)
  • 有害物質の解毒・分解
  • 胆汁の合成・分泌(食べ物の消化に必要)

肝臓は胃や腸で分解、吸収された栄養素を利用しやすい物質にして貯蔵します。そして必要に応じて、それらを分解してエネルギーなどを作り出します。例えば、食事から摂った糖質は、グリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、夜間にエネルギー源として血中に放出されます。そして、摂取した物質(特にアルコールや薬剤など)や代謝の際に生じた体に有害な物質を毒性の低い物質に変換し、尿や胆汁中に排泄します。また、その老廃物の一部は再び吸収されて肝臓で再利用されます。このように肝臓は栄養素の生産、リサイクルの中心にもなっています。

腎臓

腎臓は、血液をろ過し、体の中に溜まった老廃物や水分、取り過ぎた塩分などを尿と一緒に体外へ排出してくれる働きがあります。腎臓が老廃物や余分な水分、塩分などを尿として排泄することで、体の中の水分量やナトリウムやカリウムといったイオンバランスを適正に保ったり、血液の酸性、アルカリ性を調節したり、体内を常に最適な環境に保つことができます。

腸は、人体で最大の免疫器官であり、腸には体内の免疫細胞の約60%が存在すると言われています。胃から入ってきた食べ物は、まず小腸で消化作業が行われ、小腸内壁から栄養分が吸収されます。その栄養分は肝臓から血液に乗って全身にいきわたります。一方、大腸では、栄養分の残りかすを腸内細菌と混ぜ合わせて便を形成し、体外に排泄します。

全身の細胞に栄養が行きわたってこそ健康な毎日を過ごすことができます。

体内からの毒素排出の95%が便と尿であるということからもわかるように、私たちは生まれ持って消化吸収、排出、解毒を行う肝臓・腎臓・腸という3つのデトックス機能を持ち合わせています。これらの臓器が正常に働くように保つことこそが最大のデトックスになります。

「毒を入れない生活」を心がける

デトックスには、有害な物質を体外に排出することだけではなく、できるだけ体内に取り入れないようにすることも大切です。

有害化学物質や有害ミネラルは、少しですが、飲料水、畑などの土、加工食品に含まれています。
例えば、水銀の摂取元としては、マグロ、化粧品、農薬、歯科の詰め物(銀歯)など、鉛はヘアカラーやガソリン、アルミニウムはアルミ缶やアルミホイル、ベーキングパウダー、ヒ素は大量のひじきや殺虫剤などと、普段何気なく使用しているものからも有害物質を摂取してしまっています。また、喫煙者でヘビースモーカーは、水銀、ヒ素、カドミウムなどが高い傾向があるようです。

これらを解毒するには腎臓や肝臓の機能が正常に働いていることが不可欠です。肝臓はアルコールやタバコのニコチンも中和しています。できるだけ肝臓に負担をかけず、デトックスを行うためにはアルコールや喫煙も控えたほうがいいでしょう。

食生活では塩分の摂り過ぎは腎臓への負担になります。また、喫煙や過度のアルコールは腎臓の機能をも低下させる恐れもあります。

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