「顔のたるみさえ無ければ10歳は若く見えるのに」
そんな願望に応えるべく誕生したフェイスリフト。
外科手術によってたるんでしまった皮膚を切り取り、縫い縮めることでたるみ改善を可能にしました。
「手術しないでたるみが改善できればいいのに」
そんな要望に応えるべく誕生したのがスレッドリフト(系リフト)。
メスは使わず、時間が経つと体内に吸収される特殊な糸を皮膚の下に通すことで、たるみを改善する治療です。
「できれば肌に傷をつけず、もっと手軽で簡単にたるみを解消させたい」
顔のたるみの解消法への要望は時代と共にエスカレートし、その要望に応えるべく誕生した最新のたるみ治療、「切らない、腫れないフェイスリフト」それが“HIFU(ハイフ)”です。
HIFU(ハイフ)とは
HIFU(High Intensity Focused Ultrasoundの頭文字)とは、「高密度焦点式超音波治療法」のこと。
高密度とはハイパワー、焦点照射式とは周囲にダメージを与えないということです。
つまり、他の組織を傷つけずに、狙った部位にだけ熱エネルギーを届け、ピンポイント治療を可能にしたマシンがHIFUです。
病気治療の分野では前立腺がん、子宮筋腫、骨転移の疼痛緩和、本態性振戦(原因不明な手や頭の震え)において保険診療で行われており、近年では切除不能の膵がんの治療にも自由診療で用いられています。
このHIFUの特徴を活かし、美容分野ではたるみが気になる箇所に照射することで切らずにリフトアップが可能になりました。
HIFU(ハイフ)は真皮層のさらに奥の皮膚の土台のたるみへアプローチ
顔面は、外側から、表皮、真皮、皮下組織(脂肪)、スマス筋膜(SMAS)、表情筋、の順で層になっており、それぞれの層と骨とをつなげるリガメントという支柱が顔面に点在しています。
スマス筋膜とは、数ある表情筋を覆ってまとめる一枚の膜です。
コラーゲン質の繊維状の筋膜で、皮膚全体を支える土台のような存在です。
顔がたるむ原因は、ひとつではありません。
顔がたるむ原因
- 真皮→真皮層のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の減少により表皮を支える力が弱まることでたるむ。
- 皮下組織→皮下脂肪の蓄積により重力によってたるむ。
- スマス筋膜→加齢によるコラーゲン密度の減少にる筋膜のたるみ。
- 表情筋→加齢による筋力の衰えで真皮や表皮を支える力が弱まることによるたるみ。
このように、表皮以外のどの部位においてもたるみは起こります。
HIFUは、上記03の皮膚を支える「スマス筋膜」を熱凝固させて引き締めるたるみ治療です。
加齢によって表情筋が衰え筋肉が痩せると、筋肉を覆っているスマス筋膜にもたるみが生じます。それに連動して、その上に位置する皮下脂肪や真皮層にもたるみが生じます。
今まで、顔の深部に位置するスマス筋膜は、顔の皮膚を切開する手術でしかアプローチできなかったのですが、HIFUの登場によって切らずに深部のたるみの原因であるスマス筋膜へ直接働きかけることができるようになり、切らないリフトアップが実現したのです。
HIFU(ハイフ)が顔のリフトアップに効く仕組み
子供の頃、紙の上で虫メガネを使って太陽光を1点に集約させ、その1点だけ紙を焼け焦げさせる実験をした経験はありませんか?
これと同じようなことがHIFUによってスマス筋膜に起ります。
高密度の超音波によってスマス筋膜に熱エネルギーが届けられることで、コラーゲンでできた繊維であるスマス層が「たんぱく質の熱変性」により収縮します。
それによってたるんでいた膜が縮むので、土台がピンと張り、たるみを引き締める効果が得られます。さらに、熱刺激を受けた組織は怪我だと認識し、創傷治癒の過程により新しいコラーゲンを活発に生成します。
この二つの作用により肌の弾力が改善されリフトアップへと繋がります。
HIFU(ハイフ)で効果を期待できるお悩み
HIFUは、肌深部にあるスマス筋膜のタンパク質の熱変性によって土台部分から肌を引き締める効果があるため、以下のようなお悩みにお勧めです。
HIFUで効果を期待できるお悩み
- 頬のたるみ
- フェイスラインのもたつき、たるみ
- 口元のたるみ
- 二重アゴ
- ほうれい線
- 全体的にリフトアップさせたい
- 小じわ
- 肌のハリや弾力の低下
また、熱エネルギーが届く距離を調整することで、深部のスマス筋膜だけではなく、その手前の真皮をターゲットにした小ジワや毛穴の開きの改善にも対応できます。
近年ではおでこやこめかみ、まぶたなどの皮膚の薄い部分にも使用できるようなアタッチメントがあるHIFUも開発され、表皮の浅いしわへの対応も可能になりました。
ただし、スマス筋膜の熱収縮でのリフトアップには限界があります。
なぜなら、顔のたるみはスマス筋膜のゆるみだけが原因ではないからです。
HIFUで最もリフトアップ効果が実感できるのは、比較的早い段階で顔のたるみが気になり出した方(30代)でしょう。
顔がたるむ原因01~04の全てが当てはまる可能性が高い50代後半以降の方は、個人差もありますがあまり効果を感じられない場合もあります。
その場合は他の施術との組み合わせてHIFU治療を行うことで、リフトアップが可能になります。
HIFU(ハイフ)の効果の持続時間
数あるHIFU機器ですが、照射後のリフトアップの過程はほぼ同じです。
なぜなら、機械が進化しても、人体に及ぶ影響は変わらないからです。
HIFUの効果と持続時間は、HIFUのパワーに比例します。
|
直後~1週間後 |
1ヶ月後 |
3ヶ月後 |
半年後 |
1年後 |
普通のパワー |
普通のパワーリフトアップ効果を実感 |
日増しにリフトアップを感じる |
最もリフトアップ効果を実感できる |
ピーク時に比べて少し戻りを感じる |
施術前よりは良いが、元の状態に戻りつつある |
強力なパワー |
リフトアップ効果を実感 |
目に見えてしっかりリフトアップする |
普通のパワーよりもリフトアップ効果を実感できる |
ピーク時に比べると少し戻りを感じるが普通のパワーよりもリフトアップは持続 |
施術前よりは良いが、元の状態に戻りつつある |
半年くらいでピークの時と比べると少し戻りを感じるようになることが多く、半年経過時点で二度目の照射をするとリフトアップ状態を維持できるようになります。
HIFU(ハイフ)と他のリフトアップ治療との違い
切らずにリフトアップできる治療の代表であるHIFUとサーマクール。
その共通点、効果の違い、たるみに最も効果的なのはどれか、価格の違い、コストパフォーマンス、ダウンタイムや痛みの違いなどを比較してみました。
|
HIFU |
サーマクール |
肌の再生医療 |
仕様 |
高密度焦点式超音波 |
高周波(RF) |
自身の真皮線維芽細胞の移植 |
効果の仕組み |
タンパク質の熱変性による縮みによるリフトアップ |
細胞増殖による真皮の若返り |
ターゲット |
スマス筋膜 |
皮下脂肪 |
真皮 |
効果の高さ |
肌の再生医療 ≧ HIFU > サーマクール |
効果の持続期間 |
3ヶ月~1年 |
3ヶ月~1年 |
数年以上 |
効果が出るまでの期間 |
即日 |
即日 |
3ヶ月~1年程度 |
ダウンタイム |
ほぼなし |
ほぼなし |
数日~1週間程度の赤み |
痛み |
パワーが強いと痛い |
痛い(麻酔を使用するクリニックもある) |
麻酔使用。皮膚の薄い箇所ではチクチクする痛みを感じる時もある。 |
料金(全顔) |
約15~50万円 |
約15~35万円 |
約60万(細胞抽出料・検査費用・移植費用含む)
※2回目以降は細胞移植費用の27万円(税抜き)で治療可能。別途細胞保管料が必要になることもあります。
|
HIFUもサーマクールも、切らずに手軽にリフトアップを可能にするとても魅力的な治療です。
ただ、忘れてはならないのは、その仕組みとして「ヤケドによるタンパク質の収縮」と、その「ヤケドを治す過程での細胞の活性化」を利用しています。
効果を持続させるために継続して治療を繰り返すことは、つまり、意図的に怪我を負わせて治す、ということを何度も繰り返すことと同じです。どちらも即効性はありますが、長期的にはかえって肌への負担になっている可能性が高いことも含めて、ご自身に合ったより良いリフトアップ方法を選択していくことをお勧めします。