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【詳しく解説】肌のバリア機能とは?乾燥や炎症から皮膚を守るお肌の保護膜

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美肌を目指したり、スキンケアに興味を持っている多くの方は、“肌の「バリア機能」”という言葉を耳にしていることでしょう。「バリア」という名前の通り、なんとなく「お肌を守ってくれる大切なもの」ということは理解ができますが、実際のところ、肌のバリア機能の正体とは一体何なのでしょうか。

このページでは、健やかな皮膚を維持するために欠かせない、肌のバリア機能について、肌再生の専門家の意見も交えて、徹底的に解説します。

Contents
  1. 皮膚のバリア機能とは?
  2. バリア機能を支える、角質層の三大保湿因子
  3. バリア機能が崩れるとどうなる?
  4. バリア機能を保つためにすべき5つのこと
  5. 肌の専門家が解説するバリア機能の重要性

皮膚のバリア機能とは?

皮膚のバリア機能とは「角質」と「皮脂」が皮膚を守るために機能している状態のこと

皮膚のバリア機能とは、ずばり、お肌の表面にある“角質層(角層)”の「角質」と「皮脂」の存在です。

「角質」や「皮脂」は、もしお肌からそぎ落としてもほとんど痛くも痒くもありません。しかし、もし「角質」そして「皮脂」が肌の表面から無くなってしまうと、たちまち皮膚は無防備な状態となり、乾燥や炎症が起きやすくなってしまいます。

乾燥や炎症から皮膚を守るお肌の保護膜として「角質」と「皮脂」が存在しています。これを一言でお肌の「バリア機能」と表現しているのです。

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角質とは

私たちの皮膚は「肌の構造」を知ると分かるように、いくつもの層のようになっており、肌の内側で皮膚の元になる細胞が分裂を繰り返し、常に新しい皮膚が作り続けられています。古い細胞は少しずつ表面に押し上げられていき、最後に辿り着くのが「角質層」です。この角質層にある、死んだ細胞のことを一般的に「角質」と呼んでいます

皮脂とは

皮脂とは、皮脂腺(ひしせん)から分泌される油分、脂(あぶら)のことです。皮膚の最も表面で汗などと混ざり、「皮脂膜(ひしまく)」として肌のうるおいを守っています。

バリア機能の役割

皮膚のバリア機能である「角質」と「皮脂」には、肌の水分量を維持したり、外的刺激から肌を守る役割があります。バリア機能を維持することは、乾燥や吹き出物などの炎症をはじめとした、様々な肌トラブルを防ぐことに繋がるでしょう。

バリア機能を支える、角質層の三大保湿因子

バリア機能の要である角質層の水分は、三大保湿因子と呼ばれる皮脂膜」「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質(セラミド)によって保たれています。

皮脂膜

毛穴にある「皮脂腺」から分泌される、汗と皮脂が混ざり合ったものを皮脂膜といいます。肌の最も表面で、皮膚全体を覆いながら乾燥を防ぎ、ほこりや細菌などから皮膚を保護しています。角質層からの水分蒸発を防ぐのが皮脂膜の役目であり、肌の水分量は角質層の水分量で決まります。

天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)

角質層の中で水分を抱え、保持する役割があります。角質層の細胞の中にあり、その半分がアミノ酸で構成されています。

細胞間脂質(セラミド)

角質層の細胞と細胞の間にある特殊な脂質で、その約50%をセラミドが占めています。何層にも重なり水分を挟み込んでいます。

バリア機能が崩れるとどうなる?

バリア機能が崩れるって、どういう状態?

皮膚のバリア機能とは「角質」と「皮脂」が皮膚を守るために機能している状態のことです。つまり、「バリア機能が崩れる」とは、何らかの原因で角質や皮脂がそぎ落とされたり、正常な状態ではなくなり、お肌が無防備にさらされた状態のことを指します。

バリア機能が崩れると、肌トラブルが生じやすくなる

皮膚のバリア機能が崩れると、肌の水分量を維持することができなくなり、乾燥しやすい状態になります。さらに、外的刺激から肌を守ることができなくなり、無防備な状態になり、外からの刺激を受けやすい状態となります。本来ならば皮膚の中まで入ってこないはずの細菌・ウイルスやアレルギーの原因物質が侵入しやすくなり、湿疹やアトピー性皮膚炎が発症・悪化しやすくなります。また、様々な皮膚の病気も起こりやすくなります。

バリア機能が低下する5つの原因

肌のバリア機能が低下してしまう原因には、様々なものが考えられますが、主な原因として下の5つが挙げられます。

  • 過剰なクレンジング・洗顔などによるダメージ(皮脂の落としすぎ)
  • 摩擦ダメージ
  • 乾燥によるダメージ
  • 紫外線ダメージ
  • 栄養バランスの乱れ・睡眠不足などの生活習慣の乱れ

バリア機能を保つためにすべき5つのこと

バリア機能が低下すると、お肌が無防備な状態となり、様々な肌トラブルを引き起こしてしまう原因となることがわかりました。では、バリア機能を守り、保つためにするべきことは何なのでしょうか。

皮膚を洗いすぎない

バリア機能の要となる「角質」と「皮脂」は、ごしごしと洗ってそぎ落としてしまっても、さほど痛くはありません。しかし、角質と皮脂を失うということは、肌のバリア機能そのものが失われてしまうということです。

メイクをしている場合にはクレンジングが必要ですが、必要以上に洗浄力の高いクレンジング剤や洗顔料を使って、角質や皮脂までも落としてしまわないように気を付けましょう。

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皮膚への刺激を減らす

クレンジングや洗顔以外にも、皮膚を触ったり擦ったりなどの摩擦ダメージで、物理的に角質や皮脂が落とされてしまうことがあります。肌への刺激や摩擦はなるべく避けることをおすすめします。

保湿をしっかりする

バリア機能の要である「角質層」は、正常な状態であれば15~20%の水分を含んでいます。私たちが化粧水や美容液を塗って潤いを与えているのも、この角質層です。

角質層は、お肌内部の水分を保持する役割を担っていますが、角質層そのものの水分が失われてしまうと、お肌内部の水分を保持することもできなくなり、お肌全体の乾燥が進行してしまいます。

角質自体は死んだ細胞ですが、角質層をしっかりと保湿ケアしてあげることで、バリア機能としての役割を保つことができるのです。

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紫外線対策を徹底する

バリア機能の要である「角質層」は皮膚の最も外側にあるため、紫外線のダメージを直接受けやすい箇所です。紫外線といえば“日焼け”のイメージですが、日焼けとは、皮膚が日光により炎症を起こしているということです。紫外線によるダメージで肌は日焼けしてしまうだけでなく、コラーゲンやエラスチン、水分を蓄えているヒアルロン酸も損傷を受け、肌が乾燥しやすくなり、シワやたるみを引き起こすだけでなく、シミの原因にもなります。

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栄養バランスの良い食生活や睡眠の質の向上など、生活習慣を整える

栄養バランスの乱れ・睡眠不足などの生活習慣の乱れは、バリア機能が低下する原因のひとつです。生活習慣を整え、心身ともに健康でいることはバリア機能を保つためにも欠かせません。

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バリア機能の重要性

【対応策と予防法】肌荒れ、肌トラブルが起きたら必ずやってほしいことを、医師が解説します【化粧水NG?】

肌トラブルは、そもそもなぜ起こるのか?
その原因は、ずばりバリア機能の低下です。

肌トラブルとは、主に雑菌などの皮膚の常在菌でないものが異常に繁殖した現象のことをいいます。肌のトラブルが進行していくと、吹き出物になったり膿が出たりします。つまり、起こりうる肌トラブルのすべては「皮膚のバリア機能が落ちた」という一言で言い表せるともいえます。

肌を守るバリア機能…ディフェンシン(抗菌物質)や皮脂が含まれた角質がそぎ落とされ、失われてしまうと、当然肌荒れ・肌トラブルに繋がります。健やかな肌を保ちたいのであれば、皮膚のバリア機能である「角質」と「皮脂」を落とさず、守るということを徹底しましょう。

具体的には、皮膚をこすらない、過度に刺激しないということです。

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