治療できる部位
肌の再生医療での「ほうれい線」の治療
「ほうれい線」とは
ほうれい線とは小鼻から口角に向かって出来る八の字型の線の事で、口輪筋と頬にあるその他の筋肉の境界にあたり、表情筋を動かす際に溝になる部分です。
若い頃は肌にハリがあるため、目立ちにくいのですが、老化による肌の衰えに伴ってほうれい線が目立つようになってきます。特に表情を作っていないときでも、ほうれい線自体がシワや影のように目立ってしまう場合もあり、実年齢より老けて見えてしまったり、疲れた顔の印象を与えてしまいます。
「ほうれい線」の種類は“シワ型”と“くぼみ型”の2つ
ほうれい線には2つの種類があります。
シワ型
加齢によるハリや潤いが減った状態の肌は、表情を動かす際にほうれい線に沿って、肌が折れ曲がった時に、徐々にシワという形で折れ目が残ってしまいます。
若い頃の肌にはハリや潤いがあるために、折れ曲がってもシワにならずに元に戻ります。
くぼみ型
老化により出来るくぼみ型のほうれい線は、顔のたるみが主な原因です。
表情筋の衰えと肌のハリの低下により皮下脂肪を支えられなくなり、目の下から頬の皮膚が落ち込むことで『たるみ』は起こります。
「ほうれい線」ができる原因は、加齢ではない
年を重ねると誰もが気になりだす「ほうれい線」。よく「年を取ったからほうれい線が出来た。」とか「ほうれい線が老化のサイン」などと言われますが、実はほうれい線は生まれた時からすべての人にあります。加齢によるシワを指す言葉ではないのです。
ほうれい線は医学用語では鼻唇溝(びしんこう、ナゾラビアルフォールド 英:Nasolabial fold, Nasolabial sulcus)※1)と呼ばれます。医学用語や解剖学用語に記されるだけあり、老若男女・年に関係なく・性別に関係なく・人種にも関係なく観察されるものであるため、加齢が原因ではなく、全ての人が持っているものなのです。
ほうれい線は誰もが持っているものですが、加齢によりその溝が深く刻まれていきます。
皮膚や脂肪は加齢が進むと徐々にたるんでいき、上から下へと落ちていきます。同時にほうれい線を形作っている大頬骨筋、小頬骨筋、口輪筋がそれを受け止め、ほうれい線の位置で支えるため、ほうれい線として深く刻まれ、目立つ原因となります。
「ほうれい線」が目立つ原因
ほうれい線が目立つ原因は様々ですが、以下のことが要因として挙げられます。
片方ばかりを向いて寝ている
寝ている時間に、顔の片側だけシワを寄せているような体勢でいるとほうれい線が出来やすくなります。理屈としてはほうれい線が出来やすくなります。これは、表情ジワが出来る理屈と同じです。
片方ばかりで噛んでいる
顔の片方ばかりで咀嚼していると、噛んでいるほうの咬筋が肥大していきます。また、もう片方の咬筋があまり使われないことで、萎縮していきます。そうなると、片方のほうれい線が濃くなり、左右のほうれい線の濃さがアンバランスになりやすくなります。
肌の乾燥
肌のシワが深くなる原因の主な一つは乾燥です。肌の乾燥状態が続くと、ちりめんジワといわれる細かいシワが増えていきます。ただし、肌の乾燥は「ほうれい線が深くなる直接的な原因」というよりも、「小じわが増える要因の一つ」として捉えていただければと思います。
再生医療で「ほうれい線」の
改善ができる仕組み
ほうれい線を改善するには、皮膚のハリを取り戻す事が効果的です。老化による肌のハリや潤いが失われてしまう原因は、お肌の真皮部分にある、お肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンやヒアルロン酸などの成分が減少し、肌の「真皮層」が薄くなることです。
肌は、表皮と真皮から出来ており、真皮層にある真皮線維芽細胞という細胞が、肌のハリや潤いの元となる、コラーゲンやエラスチンやヒアルロン酸を作り出しています。しかし、年齢を重ねると真皮線維芽細胞も数が減っていき、十分な量のヒアルロン酸等を作り出せなくなるので、真皮層が薄くなりハリや潤いが失われていきます。
肌の再生医療は、ご自身から少量の皮膚片を採取し専門の施設で真皮層にある真皮線維芽細胞を増やし(培養)、薄くなってしまった真皮層に戻す治療です。あなたの体に元々ある細胞を増やして、また戻す。すると、増えた真皮線維芽細胞がコラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンを生み出し、お肌のハリや弾力を蘇らせ、みずみずしく若返らせてくれるのです。
再生医療での「ほうれい線」の
治療の症例写真
Case.1 40代女性の症例
-
Before
-
After(治療後1年8ヵ月)
- 施術名
- 肌の再生医療(自家培養真皮線維芽細胞移植術)
- 施術の説明
- 患者様より肌細胞を採取、CPC(特定細胞加工物製造事業所)にて培養した肌細胞を患部に移植し、老化症状を改善する治療です。
- 施術の副作用・リスク
- 一般的な医療行為と同程度の副作用(内出血、色素沈着)のほかに、細胞の異常増殖による硬結やしこりの可能性を否定できない。また、線維芽細胞移植による自己免疫疾患の悪化の可能性も否定できない。
- 施術の費用
- 税込489,500円(初回治療総額)
Case.2 50代女性の症例
-
Before
-
After(治療後1年8ヵ月)
- 施術名
- 肌の再生医療(自家培養真皮線維芽細胞移植術)
- 施術の説明
- 患者様より肌細胞を採取、CPC(特定細胞加工物製造事業所)にて培養した肌細胞を患部に移植し、老化症状を改善する治療です。
- 施術の副作用・リスク
- 一般的な医療行為と同程度の副作用(内出血、色素沈着)のほかに、細胞の異常増殖による硬結やしこりの可能性を否定できない。また、線維芽細胞移植による自己免疫疾患の悪化の可能性も否定できない。
- 施術の費用
- 税込489,500円(初回治療総額)
再生医療での「ほうれい線」の
治療のダウンタイム
肌の再生医療は、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの異物を注入したり、メスを入れる他の美容整形とは異なり、使うのは元々自分の体にある「細胞」と「血液」のみですので、副作用のリスクが極めて低い安全な治療法です。
しかし、細胞の移植には注射針を用いるため、以下のような副作用が生じる場合があります。いずれも、通常は数日程度でよくなります。
- 移植する際の注射による小さな出血
- 小さな内出血、青あざ
- 移植部位の腫れ、赤み
※治療遂行に際し、「麻酔薬・注射液・傷薬」の3剤を必要とします。これらの薬剤によるアレルギー等の反応(副作用)が起こる方もごくまれにいらっしゃいます。これらはあくまで一時的な反応に過ぎません。自分自身の線維芽細胞を移植することに副作用は認められておりません。
再生医療での「ほうれい線」の
治療の効果について
肌の再生医療で「ほうれい線」の治療をした場合の効果の現れ方と、持続期間について説明します。
効果の現れ方
肌の再生医療の効果の現れ方は、他の美容医療と比べると非常に緩やかです。
お肌のハリやうるおいを保つ「肌細胞(真皮線維芽細胞)」は、年齢と共に減少していきます。肌の再生医療で肌細胞を増やし、再びお肌に補充すると、肌の働きそのものが活発になり、少しずつお肌が若返ります。徐々に肌の機能が回復していくため、ハリやたるみが改善されるまで約3ヶ月~半年ほどかかります。
効果の持続期間
肌の再生医療は、コラーゲンやヒアルロン酸などを注入する「対症療法」とは異なり、肌の機能そのものを蘇らせる「根本治療」です。そのため、一度肌の再生医療で若返ったお肌は、またその状態から年を重ねることになり、効果は長期的に続いていくと言えます。
※培養し移植した真皮線維芽細胞のターンオーバーはおよそ5~6年です。保湿・UVケアなどのお手入れをしっかりされている方はより効果が持続しています。
※改善効果には個人差はございます。
他の治療法との比較
医療機関・クリニックでの治療法
肌の再生医療以外にも、ほうれい線の治療法は存在します。それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分に合った治療法選びの参考にしてください。
注入治療
ヒアルロン酸、コラーゲンなどの製剤をほうれい線が気になる部分に注入し、溝を埋め立てることで目立たなくする治療法です。即効性がありますが、ほうれい線が目立つ根本的な原因を解決しているわけではなく、その効果は数ヶ月~半年ほどで吸収され、薄れてしまうため、定期的な治療が必要です。
ほうれい線にボトックス注射をおすすめしない理由
ボトックス注射は、表情筋の収縮運動によって引き起こされるシワに有効です。皮膚の弛みから目立ってしまったほうれい線にボトックス注射を行ってもあまり変化は見られないため、ほうれい線の改善目的でボトックス注射を打つことはおすすめしません。
光・超音波などの照射治療
ハイフ(HIFU)やサーマクールなどの照射療法もほうれい線の改善に効果が期待できるといいます。
どちらも熱刺激による創傷治癒効果で真皮線維芽細胞を活性化させ、お肌のハリや弾力を取り戻す効果を狙った治療です。メスを使う手術と比べて手軽に治療を受けることができますが、その効果は数ヶ月~半年前後となるため、長期的に効果を持続させるには定期的に治療を重ねることが必要になります。
リフトアップ治療
お顔のたるみに特化した「フェイスリフト治療」と同じ手法でほうれい線を含むお顔まわりのたるみにアプローチするのがリフトアップ治療です。ほうれい線リフト、などの名称で呼ばれることもあります。
リフトアップ治療は大きく分けて、糸などを使った「切らない治療法」と、メスを使ってたるんだ皮膚やSMAS筋膜をダイレクトに持ち上げる「切る(切開)治療法」の2種類があります。
切らない治療法(糸リフト・スレッドリフト)は、たるみ(老化現象)そのものを改善するものではありません。そのため、効果に個人差が大きかったり、効果が長続きしない場合があることや、失敗のリスクもあるなどデメリットも少なくありません。
切る治療法(切開リフト)は、「皮膚そのものの『たるみ』」「SMAS(スマス筋膜)と呼ばれる表情筋&筋膜の『たるみ』」「脂肪そのものの『たるみ』&脂肪膜の『たるみ』」などをダイレクトに持ち上げることができるため、あらゆるたるみに効果が期待できるといえます。
脂肪注入
脂肪を蓄えている脂肪細胞を大腿(太もも)などから取り、気になる個所に注入移植する方法です。自身の脂肪を使用するため、免疫反応の心配がありません。注入された脂肪の内、血液から栄養をもらい生着した脂肪細胞は生き残り、生着しなかった脂肪細胞は脂肪と共に吸収されます。
PRP療法(血小板療法)
自身の血液を採取し、遠心分離機にかけると、血球と血漿に分離します。分離した血漿の下の部分には多く血小板が存在し、その部分を「PRP(多血小板血漿)」と言います。PRP療法とはこのPRPを注射器で注入をする治療法です。
PRPを注入することで、細胞を一時的に活性化させて、肌のハリを保つコラーゲンなどの成分を作り出させることができるといわれています。
PRP療法は今ある細胞を一時的に働かせる治療法であるのに対し、肌の再生医療は細胞の数自体を増やす根本的な治療という点で違いがあります。
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