変形性膝関節症とは

進行ステージ

保田医師

この先生が監修しました

保田 真吾 先生

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック 院長。京都大学医学博士。

変形性膝関節症の症例を数多く経験。
「和顔愛語 先意承問」の精神で、丁寧な診察を心がけている。

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック

Contents
  1. 専門家に診てもらうタイミング
  2. 進行の危険信号
  3. 進行ステージ
    1. 健康な状態
    2. 初期
    3. 中期
    4. 末期
    5. ステージと痛みの基準は一致しない
  4. 治療の期間
    1. 中期~末期になってからの来院が多い

専門家に診てもらうタイミング

膝に痛みを感じる人は生活の中で膝を痛めやすい生活をしていることが多いです。例えば、重いものを持ったり、階段が多かったりと、膝に負担がかかる生活です。同じ動作を続けていては、症状が悪くなる一方です。変形性膝関節症は、「まだ自分は症状は軽い」と自分自身で思っていても、意外と進行していたりする場合もあります。激しい運動をした後に、水がたまったり腫れたりしたら、かなりの危険信号ですので、やはり一度専門家に診てもらうのが大切です。

初期のほうが治療の選択肢も広く、また膝の痛みの改善がより期待できます。膝の痛みがそこまで強くなくても、日常生活で膝の違和感がある場合は、膝専門の機関を受診してみることが必要です。専門家に自分の生活のどこが悪いのか、基礎疾患を抱えていないかとか、何が原因で膝がどんどん悪化しているのかを、聞いてみるのが良いでしょう。

進行の危険信号

変形性膝関節症は、「まだ自分の症状は軽い」と思っていても、結構症状が進んでいることもありますので、気を付けることが大切です。違和感が出てきた時、例えば時々腫れるとか、長いこと歩いたら腫れるとか、初動時にこわばる、痛いとかいうときは、疑わなくてはいけないです。そのような違和感が膝に出てきたら、何らかの危険信号ですので専門家に診てもらうのが確実です。

進行ステージ

変形性膝関節症は、軟骨のすり減り方によって初期、中期、末期という概念に三つに分け分けられます。

健康な状態

正常な関節は、骨同士が接している箇所は軟骨で覆われています。
軟骨は水分をたっぷり含み、関節が受ける衝撃を吸収し、骨と骨の直接の摩擦を防いでいます。この軟骨が骨の表面にあることで、クッションの役割を果たし、痛みのないスムーズな関節の動きが可能になります。

初期:軟骨が25%まで減る

軟骨が25%まで減るのが初期です。軟骨が徐々にすり減り弾力がなくなると、クッションが押し潰されたような状態になり関節のすき間が減少していきます。すると、部分的に関節に負担がかかり、骨棘(こつきょく)というトゲができはじめます。このトゲができたことにより、立ち上がったり、歩きはじめた時など、動作の開始時や、ひざに体重がかかりやすいときに痛みを感じることがあります。安静にしていれば自然に痛みは消え、湿布薬などを貼ることでも痛みは治まります。

初期の時はまだそれほど痛みも感じないことが多いです。痛みのない人や全く症状がない人も結構多いです。年齢的に、30から50ぐらいの人は、あまり症状が無くても初期になっていることが多いです。

中期:軟骨が25~75%まで減少

軟骨が25~75%まで減るのが中期です。腫れが見えてきたり、ひざの痛みがしっかりと定着するのも中期の症状です。軟骨がさらにすり減り、クッションが薄い状態です。関節のすき間がより狭くなるため、O脚の進行が進みやすく、トゲ(骨棘)も増加します。
関節の軟骨は、一度欠けたりすり減ったりすると元には戻りません。症状は少しずつ悪化し、日常の動作においても痛みを感じる頻度が増えていきます。

動かすと痛むため日常的な活動量が減り、筋肉が衰え、症状が進行するという悪循環におちいりやすくなります。

年齢的に55歳以上の人に多く、55歳から70、75歳までぐらいが、中期の目安になります。

末期:軟骨がほとんどなくなる

軟骨がほとんどなくなるのが末期です。膝の骨同士が直接あたるようになり、膝関節の変形が目立つようになります。夜間も痛いぐらいの強い症状が出て、もう歩行が困難になるという具合で、動かなくても痛みを感じる状態になります。年齢的には75歳以上の人に多いです。

痛みで、50mしか歩けないとか、家の中も手すりがないと歩けないとか、安静時にも痛みがとれず、夜間も痛いぐらいの強い症状が出ており、いつも車椅子を使っているなど、歩けないほど重症な状態です。重度になると、治療も大がかりでリスクを伴う方法に限られてきます。

ステージと痛みの基準は一致しない

必ずしも、ステージと痛みが一致していないというのが現実です。目安としては、初期ですとそれほど痛みがなく、中期ですとやっぱり痛みがはっきりしてきます。例えば、長いこと歩いたら腫れが出てきて、腫れがなかなか引かないとか、症状がはっきりしてくるのが中期です。夜間も痛いぐらいの強い症状が出てくるのが末期になります。

治療の期間

変形性膝関節症の治療の期間にどれくらい時間を要するかは、重症度によります。初期の軽い方でしたら、入院も必要ありませんし、治療は筋力トレーニングやストレッチなどのリハビリテーションがメインとなります。たいていのリハビリは自宅でもできますから、病院で教わって自宅でやると言うのが、一番良い方法かもしれません。

中期以上になると症状がはっきりとしてきますので、そういう方は定期的に病院に通って、湿布をもらってきたり、痛み止めをもらったり、ヒアルロン酸を打ったり、という治療が主流になります。

末期になると、痛みが強いので、病院では人工関節が必要と言われることが多いです。一般的な保存治療では痛みは取れにくいので、通院は長期間になります。

中期~末期になってからの来院が多い

膝の痛みの専門外来を受診する人は、末期が4割ぐらいで、中期も同じ4割ぐらいです。初期が2割ぐらいです。かなり進行して来られる方が多いです。

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