一般的な治療法

人工膝関節について

変形性膝関節症の末期になると、人工関節(インプラント)の手術が最終手段ということもあり得ます。痛みがあったから、すぐ人工関節というわけではありません。ただ著しく、日常生活の質が下がって、買い物にも歩いていけないというぐらい膝の痛みが強くなったら、人工関節を検討される方が多いでしょう。多くの場合、人工関節置換術をすると、辛い膝の痛みから解放され、歩くのも難しかった方も歩けるようになります。 特に末期の症状の人には効果がもっとも得られる治療法です。

Contents
  1. 手術は保険の適用内
  2. 人工膝関節に抵抗がある人も多い
  3. 人工膝関節置換術の手術は万能の治療ではない
  4. 人工膝関節になると再生医療もヒアルロン酸も適応外

手術は保険の適用内

人工関節は保険がきかなければ、入院も含めますと100万円以上かかる治療です。しかし、保険の適用内ということで、約1-3割の治療費で手術を受けることが出来ますし、高額療養費制度の対象となります。

人工膝関節に抵抗がある人も多い

人工膝関節の素材は、チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス合金、タンタル、セラミック、ポリエチレンなどの材質で出来ています。これらの素材には摩耗しにくいなど、いろんな要素があります。体に優しい、できるだけ副反応を出さない素材です。

人工物が体内に入るということを、あまり気にしないのであれば、一番痛みの軽減に繋がります。しかし、自分の膝ではなく人工物が入ることに抵抗を持たれる方は、治癒とは違うと言われるような方も多いです。

また、手術は体を切り、骨を削ったり、筋肉を切開するので、どうしても体に負担がかかるものです。また、手術をしたらそれで終わりではありません。入院やリハビリも必要となりますので、手術をしてから日常生活に戻るまで必然的に日数がかかってしまいます。

変形性膝関節症の手術の中では、脛骨を切って繋げ直す「高位脛骨骨切り術」や、膝関節の片側を切り取って人工膝関節に変える「人工膝関節単顆置換術」が比較的体に負担が少ない手術です。どちらの手術も長期的に見ると再手術が必要になる場合もあります。末期の膝の場合はこれらの手術よりも、人工膝関節全置換術をすすめられる場合があります。いずれの手術でもメリット、デメリットがあるので、それらを踏まえた上で臨むべきでしょう。

人工膝関節置換術の手術は万能の治療ではない

人工膝関節置換術の手術は成功率の高い治療と言えるでしょう。しかし一部の方は、人工関節を入れたけど痛みが充分取れなかったり、感染症を起こしたり。骨が溶けて入れ直しが比較的早い時期に必要になってしまったなど、そういう方もいます。ですので、人工関節の手術は万能な治療ではないのです。

また、どんな手術で痛みを一時的にしのいだとしても、膝に負担をかける生活習慣を改めない限り、膝の痛みを引き起こしかねませんので要注意です。

そして年齢が高齢であればあるほど、人工関節のリスクが高くなります。手術の技術的には難しくありませんが、80歳でも人工関節は出来ますが、入院したら認知症が進んでしまい、もう何もできなくなる人も多いので、様々な要素を踏まえて決めるのが良いでしょう。

人工膝関節になると再生医療もヒアルロン酸も適応外

もう一つ知っておくべきことは、人工膝関節になると、手術後でも膝の痛みがあった場合、膝の治療の選択肢が少なくなることです。

まず、再生医療は適応外になります。人工関節にしたら感染のリスクがありますので、針を刺せないです。ヒアルロン酸も打てない状態になります。

手術で人工関節にしてしまうと、再生医療の適用外になるということ、人工膝関節手術での前述したようなリスクを考えると、その前に再生医療の治療を試してみるというのも一つの選択肢です。

人工関節をしなくて済んだ方も実際にいるので、人工関節をする前に試してみる治療としては、再生医療の治療は非常に良い治療と言えるでしょう。

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