一般的な治療法

保存療法

保田医師

この先生が監修しました

保田 真吾 先生

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック 院長。京都大学医学博士。

変形性膝関節症の症例を数多く経験。
「和顔愛語 先意承問」の精神で、丁寧な診察を心がけている。

膝の痛み専門 大阪梅田セルクリニック

保存療法は、生活習慣の改善やリハビリ、運動療法、装具療法、物理療法、薬物療法、温熱療法、注射療法などがあります。

Contents
  1. 注射療法
    1. ヒアルロン酸注射:関節内注射
    2. 治療について
    3. メリット
    4. デメリット
  2. 薬物療法
    1. 鎮痛剤も処方される場合も
  3. 生活習慣の改善
  4. 運動療法
  5. 装具療法
  6. 温熱療法

注射療法

ヒアルロン酸注射:関節内注射

膝の関節内にヒアルロン酸を注射する方法です。ヒアルロン酸は、もともと膝の関節内の関節液に多く含まれ、関節の動きを滑らかにしたり、クッションの役割をする軟骨を守っています。変形性膝関節症では、このヒアルロン酸が減少しています。
注射でヒアルロン酸を直接膝の関節に注入することで、関節の動きを滑らかにし、軟骨を守ります。それにより、膝の痛みや炎症を抑えることができます。

ヒアルロン酸注射は、潤滑油みたいなものです。変形性膝関節症は軟骨が摩耗して、膝が滑らかに動かなくなってきます。そこにヒアルロン酸を打つことによって、潤滑油を入れて滑らかに動くようになるのです。それによって、痛みの症状が軽減するというのが、ヒアルロン酸の原理です。

治療について

ヒアルロン酸注射は、原則週に1回、5週間ほど継続して治療をします。
効果がみられれば、その後の症状に合わせ2~4週間に1度、注射をします。
運動療法や理学療法などと組み合わせることで、さらに進行を遅らせ、QOL(生活の質)を改善することができます。

メリット

ヒアルロン酸注射のメリットは、比較的早期に痛みの改善が期待できることです。さらに、ヒアルロン酸はもともと膝関節にある成分のため、全身に影響するような副作用が無いことなどがあげられます。

デメリット

一方デメリットは、効果が持続しないことです。変形性膝関節症で一番重要なのは、軟骨がすり減っているということですが、ヒアルロン酸を打つことで軟骨のすり減りを改善することはできませんので、単なる症状の緩和に止まります。ですから、ヒアルロン酸で治すというのは困難です。ヒアルロン酸を関節内に注入しても軟骨は修復しません。ですので、ヒアルロン酸はあくまで関節軟膏の滑りを良くする「潤滑油」であり、対症療法という位置づけです。また、繰り返し注入することにより感染症のリスクを伴う可能性もあります。
ヒアルロン酸注射は急場をしのぐ治療としては有効ですが、根治を目指したり、長期間継続して行う治療という位置付けではありません。

薬物療法

外用薬
クリームや軟膏、ゲル、湿布など。成分には非ステロイド系抗炎症剤が含まれており、炎症を起こしている局所に使用し、腫れや痛みを抑える作用があります。
内服薬
非ステロイド系の消炎鎮痛剤(痛み止め)により痛みを抑えます。
座薬
特に痛みが激しい場合や、胃腸が弱くて内服薬が使えない場合に座薬(肛門から挿入する薬)が用いられます。成分を直接粘膜から吸収させるため、即効性があります。

鎮痛剤も処方される場合も

膝の治療には鎮痛剤が処方されることもあります。痛み止めはロキソニンとか、普通の病院で処方している鎮痛剤です。痛み止めも様々な種類がありますが、出来ることならそれを使わずに膝の痛みが治まるのが一番です。そういう意味で、再生医療がその役割を果たすのではないかと期待して行っています。

生活習慣の改善

  • ・肥満を改善させ膝への負荷を減らす
  • ・日常的な膝に負担がかかる動作を回避する(和式トイレを洋式に変更したり、正座の生活から椅子を使用する生活に変えるなど)

リハビリ・運動療法

変形性膝関節症の治療ではリハビリは欠かせません。運動療法を中心としたリハビリを行うことで、膝の安定や膝周辺の筋力アップが図れ、膝の曲げ伸ばしがスムーズになります。リハビリをする際には理学療法士や作業療法士に任せきりにするのではなく、積極的に取り組むことが痛みの改善に繋がります。リハビリで体操やストレッチなどのセルフケアを教わったら、自宅でも毎日行って膝を動かすことも大切です。また、最近の研究では、リハビリや運動療法を行うことで軟骨細胞の炎症を和らげたり、関節内や周囲に炎症を抑える物質を産み出す効果があることも明らかになっています。

  • ・膝を支える筋肉を鍛えて膝への負担を減らす
  • ・痛みによって緊張した筋肉をほぐし、動かしやすくする
  • ・痛みや緊張で拘縮した関節の可動域を拡大する
  • ・血行を促進させ発痛物質の生成を抑える
  • ・痛みをきっかけに低下した筋力を向上させる

装具療法

O脚の場合、膝の内側に体重の負荷が集中し、内側の軟骨や骨に損傷が起こります。足底板(インソール)で脚の角度を矯正し、反対側に体重負荷を逃がすことで、軟骨や骨の摩耗を防ぎ、痛みの軽減が期待できる足の片側が高くなっているインソールを使用し、痛みと症状の進行を防ぎます。

足底板療法
O脚の場合、膝の内側に体重の負荷が集中し、内側の軟骨や骨に損傷が起こります。足底板(インソール)で脚の角度を矯正し、反対側に体重負荷を逃がすことで、軟骨や骨の摩耗を防ぎ、痛みの軽減が期待できる足の片側が高くなっているインソールを使用し、痛みと症状の進行を防ぎます。
サポーター
変形性膝関節症の患部にサポーターをつけ、膝を安定させることで膝関節のさらなる損傷と痛みを防ぎます。

装具療法は、一時的に痛みの緩和につながる可能性はあるものの、長期間効果を持続させることは難しく、長期にわたる使用はあまり推奨されていません。

温熱療法

光や熱、電気的な刺激を利用してひざの痛みや炎症を抑える治療法です。
物理療法には、「温熱療法」と「寒冷療法」があります。

温熱療法
膝を温め、血行をよくして痛みを和らげる治療法。病院では赤外線や低周波、レーザー、ホットパックなどを用いて膝を温めます。家庭でも入浴や温シップ、温めたタオルを使って行うことができます。温熱療法は、サポーターなどを用いて膝を保温するなど、予防にも効果的です。
寒冷療法
冷シップや冷やしたタオルなどで膝を冷やして痛みを和らげます。
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